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<帰国>
小児科病院見学を終え、教授とお別れしたあと、11階のお土産ショップに入りました。Last Christmas のメロディが耳に入ったとき、いつのまにか冬が目前になっていたことに驚くと同時に、米国でのすべてのスケジュールを終了したことに気がついて、解放感がこみ上げてきました。

しかし、翌日にシカゴから ANA NH011便 に乗り込んだときには、2ヶ月前に想像したのとは全く異なる自分がいました。反省、未練、課題、希望、使命……あまりにも多くのものを抱え、機内BGMを聞いても安堵感が全く芽生えない自分でした。

帰国し、成田空港で飛行機が停止した時には、これから自分が向かう先のこと、これから自分がなすべきことに重圧を感じ、数分間席を立てずに金縛りのような感覚に陥りました。

その後、新潟のマンションに無事に戻って、ようやくほっとすることができました。


<発表会>
帰国した翌日に研究実習のポスター発表を行いました。

夏休みの準備でお世話になった歯学部細菌学教室の先生方やそこで自主研究されている歯学部の学生、チャンスをくださった小児科教授、そしてこの日の夕方に特別講演をしてくださった講師(サンディエゴから来られた母校OB)が見に来てくださいました。鋭い指摘もたくさんいただいて、想定外の収穫がたくさん得られました。

発表会のそのほかの来客は、主に医学科3年生。来年のサンディエゴでの研究実習に興味を持っている3年生は、おそらく全員聞きに来てくれました。一人一人としっかりお話する時間が取れ、経験したことやお世話になったことを伝えることができて、ひとまずほっとしました。


<キャリアプラン>
この2ヶ月間、日米の小児科医のメンターとたくさん出会うチャンスに恵まれ、米国小児科の研究・臨床現場でお世話になりました。この経験を直接将来に生かしたい、頂いたご恩を直接返したい、という気持ちは揺るぎないものになりました。

帰国する時点で、米国臨床留学を本気で目指すことは確定していましたが、帰国翌日の とある出来事がきっかけとなり、小児科医を目指すキャリアプランも固まりました。


格段にグレードアップできた新目標に向かって、これからも一歩ずつ階段を上っていきたいと思います。

わずか2日間の病院見学でしたが、学び得たものは計り知れませんでした。

◼︎ Professionalism & Interpersonal Skills
レジデント(初期研修医)、フェロー(後期研修医)、アテンディング(指導医)、教授と過ごし、肌で感じた現状の自分とのギャップにはショックを覚えました。全米トップ10にランクする小児病院の研修プログラムに抜擢される医師がどういったスキルを兼ね備えているかを身をもって学びました。教授も「ここのスタッフは本当にプロフェッショナル。皆素晴らしい先生たちばかり」と強く同意されていました。2日目の Leukemia (白血病) 外来では、ALL(急性リンパ性白血病)に罹ったダウン症患者さんのご家族二組をジョイントして、互いにつながりがもてるよう取り計らう教授の姿勢に、心が温まりました。Sickle Cell (鎌状赤血球症)外来では、日本でできないアメリカならではの貴重な見学ができました。これらの外来診察の際、2年目のレジデントにマンツーマンでお世話になりました。彼女は、近い将来は現在の科に残ってフェローシップに進みたいようで、すでに出願も終え、面接を控えているとのことでした(マッチング倍率は10倍を下回らないそうです)。つまり彼女はちょうど本命の科で自分をアピールする勝負期間の真っ只中にいた、ということになります。そのようなシチュエーションで、最高のプロフェッショナリズムを発揮して、最高の仕事を手がける姿を拝見できたのは、僕にとって本当に幸運な経験でした。

 
◼︎ System
レジデントは例えば外来診察では、患者さんと完璧なコミュニケーションを心がけながら網羅的に問診と身体所見をとって、頭の中で的確にケアプランを立て、オフィスに戻るとすぐに指導医に報告してディスカッションをする、ということを徹底的に繰り返すなかで、臨床スキルを最大限に磨くことができるように思いました。また、2年目にしてレジデントが医師としてすでに独り立ちできていることもまぎれもない事実でした。アテンディングは経験やデータに基づいた膨大な知識でレジデントの仕事を完璧にフォローし、熱意あふれる指導をされていました。各々の医師がそれぞれの立場ごとに最も重要な仕事に専念できるシステム、常に上の先生から質の高い指導を受けられるシステム、また常に周囲からの評価にさらされる中で自分が磨かれるシステム。国際的に優れた臨床医を目指すための成長の場所として、この上なく魅力的な研修システムがアメリカに存在することを確信しました。

 
◼︎ Conference 
22階のカンファレンスルームに集っていたのはアクティブな医師ばかり(50人以上。基本的にレジデントは仕事が無い限り参加するのが当たり前のよう)でした。発言力、ディスカッション力には目を見張るものがありました。アメリカの医師はほとんどがハリソンを読む、2周3周読む医師もざらにいる、指導医の中にはハリソンの編集者もいたりする、医学生でさえ UpToDate を当たり前のように活用している、といったお話は日本で伺っていましたが、確かに、カンファレンスにいらっしゃった先生たちも皆が「生きたハリソン(小児科なのでネルソン?)」のようでした。全身を診られる小児科医がもつべき医学知識体系をレジデントの時点で頭の中に完成させているように見受けられました。自分も将来、このような先生たちが集うアカデミックな環境に身を置いて知識を高めていきたいと感じました。また、カンファレンスでの建設的討論に積極的に貢献して、患者さんへの医療に還元することが、USMLE で知識を身につける最終目標の一つであるべきだという考えも強化されました。

 
◼︎ English & Communication
現状の英語能力・コミュニケーション能力では全く歯が立たないことを知りました。アメリカの臨床の現場では、同僚、コメディカル、先輩、後輩からつねに評価を受けるシステムがあり、その中にコミュニケーション能力を評価される項目(その内容もさらに3項目に細分化)がある、と聞きましたが、まさにその評価の重みを実体験しました。 英語がままならないと、患者さんとのコミュニケーション以前に、コワーカーとのコミュニケーションにおいて致命的で、信頼も評価も得られない場だとすぐにわかりました。見学中も、英語をうまく話せない自分が表に出れば出ていくほど信頼が失われていく感覚に見舞われましたし、だからと言って大人しくしていると、すぐさまコミュニケーションに欠陥のあるスタッフだとみなされてしまうことも容易に想像がつきました。今回の2年目レジデントはネイティブの中でも特に言葉遣いや表現が巧みな印象を受けましたし、声もとても綺麗で明瞭で、話運びや機転の利かせ方も本当に上手でした。Spanish 訛りの患者家族の英語もばっちり聞き取っていましたし(僕は全く聞き取れず、入力されていくカルテで内容を理解していました)、さらには、英語が話せない患者家族との日常会話を全てスペイン語で行っていました(問診の際はオンデマンドのテレビ電話同時通訳を利用していましたが)。これには大きな衝撃を受けました。

 
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・漠然とした憧れでしかなかった米国での臨床研修は、いまや本物の目標点に変わりました。その目標点に立つ未来の自分を全く想像することができないのは辛いことですが、今回見出した「将来こうありたいと思う自分」を常にイメージしながら、英語学習も、臨床実習も、USMLE対策も頑張り続けていける、高いモチベーションを得ることができました。

・2年目レジデント、アテンディングの輝いていた姿は、今後も心の中に目標そのものとして立ち続けると思います。米国で臨床研修を受けたいという夢はもう一生捨てられないものとなりました。

・どれだけ頑張っても現地の医師と肩を並べられないものがあるのは仕方がないですが、それをカバーできるだけの知識、技術、スキル、経験、人間性、日本人らしさを磨いて、優れたレジデンシー/フェローシッププログラムにマッチするにふさわしい医師、そのプログラムに必要とされる医師に成長して、いつかかならず米国臨床留学を実現させたいです。

シカゴ小児科病院 見学2日目
・午前:ALL/AML(急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病) 外来
・昼:カンファレンス
・午後:Sickle Cell Disease(鎌状赤血球症、SCD)外来

SCD は人種間で有病率に大きな差があり、日本には少ない遺伝疾患。米国ならではの見学ができました。

ヌーンカンファレンスを終えてオフィスに戻ると、ホワイトボードに10人くらいの患者さんのリストが表記されており、数名の医師が分担して診察していました。

日本のように患者さんを診察室に呼び入れるのではなく、診察室(個室)で待機している患者さんの準備が整い次第、ドクターの方が診察室に入っていくのが米国のスタイル。

入退室時の手洗い、身体診察時の聴診器の消毒は必ず行われていました(Step2CS も同様)。

ケアプランが1枚にまとめられた用紙をアテンディング(指導医)から渡されると、レジデントはさっとそれに目を通し、診察室へ向かいました。その診察の様子を見学させていただいた後は、アテンディングに付かせていただいて、さらに見学を続けました。

やはり、African American の患者さんが多かったです。
診察中は終始、医学知識と診察現場がつながり、なんとも言えない不思議な感覚でした。

レジデントは、手、足、胸の痛み、発作の有無を必ず聞いていました。
学校名、学校での成績、学校の欠席日数、好きな科目、趣味、家族歴、通院方法、なども必ず聞いていました。
 
Take home message
・ painful erection : 小さい子に多い
・ HIC (Hepatic Iron Content) >15 → 心臓や肝臓に障害が出る
・ SSとSC(milder form):5歳では前者の患者さんにはペニシリンが必要。逆に後者では推奨されない。By ガイドライン
 
 
フロアには 50 室の infusion center もあり、午後には血液系疾患を持つ多くの患者さんが化学療法や輸血治療を受けていました。入院せずに外来でこれらの治療を行うシステムは、①患者さんの精神状態、②コストの削減、という点でメリットがあるということを教授から教えていただきました。

見学の最後には、3人で同時に覗ける顕微鏡を使って、血液サンプルの所見やチェックする際のポイントなどをアテンディングがレジデント(と僕)に説明してくださいました。 「血液腫瘍科でフェローシップ受けるんだよね?それなら知っておくといいよ」という指導もありました。
 
アテンディングは患者さんとそのご家族を明るく元気にさせる、魔法使いのようなコミュニケーションスキルを発揮されていました。「自分が子供の頃にこういう先生に診てもらえたらとても嬉しかった」「将来自分の子供が病気にかかったらこの先生に診てもらいたい」「このようなアテンディングの下で臨床医としてのスキルを学ぶ機会が欲しい」と思いました。

オフィスの机には、アテンディングが患者さんからもらったプレゼント(お菓子、お手紙、写真データの入った?CD-Rom)がたくさん置いてありました 

研究実習の準備に関してまとめました。次の留学で活用できればと思います。


<全般>
やるべきことが次から次に出てくるので、To Doリストが必須でした。
また、迷っているとあっという間に時間が過ぎてしまうので、順序構わず、やれることからどんどん片付けていかないといけないと改めて感じました。


<航空券>
行きは関空からサンフランシスコ経由のチケットを取りました。
実家から出て夕方の便で出発、というのは精神的にも時間的にもゆとりがありました。
ただでさえ機内で十分に睡眠が取れず、時差ぼけも襲ってくるので、せめて出発前にはぐっすり寝てフル充電しておきたいという狙いでした。結局、元気すぎて機内で寝られず、到着時にはすっかり寝不足に。


<宿泊先>
未だ経験のないホームステイを選びました。小さいお子さんが2人いるイタリア人のご家庭。バス停が近く、朝夕の食事もついているのでいい感じです。スキャナーとメールのお陰で、連絡をとりはじめてから4時間後くらいには申込みが完了しました。「tenant は landlord に対して…」といった誓約内容に目を通すのも初めてで、理解するのが大変でしたが、この経験もまた将来に生きるはず。


<CV と PS>
実習期間のうちの最後の1週間を使って、*ロサンゼルス(婦人科腫瘍)とシカゴ(小児科、小児がん)の病院をそれぞれ個人的に見学する許可をいただきました。
そのうちの一方の申請に際して、CV (Curriculum Vitae; 履歴書) と PS (Personal Statement; 志望動機書) が必要になりました。昨年の研究室訪問時に提出した自己紹介文などを見直しながら作成しました。
CV では、Honors や Award、Leadership、Publication、Presentation など、書ける内容のない項目が多すぎて辛いですが、今後自分が何をしないといけないかを考え直す機会になりました。
 
* ロサンゼルスでの見学は病院のシステム上の問題でおじゃんになりました。

 
<現地の教授と打ち合わせ>
研究実習のテーマに関して、スカイプで打ち合わせをしました。スカイプで日常英会話をして本題について話し合うというのは、普段のRare Job と全く同じスタイル。落ち着いて臨むことができました。
また予め、①近況、②興味のあるテーマ、③できる手技と今後習う手技、に関して箇条書きでまとめ、印刷してパソコンの正面に貼って、本番中に有効利用しました。
テーマ決めに際しては、「レビュー論文で勉強したA群連鎖球菌に少し馴染みがあります」と答えるやいなや、即決しました。ある重要な表面病原因子を欠く新しい変異株をつい最近発見したばかりで、調べることが山積みだそうです。良い指導者もこの分野にちょうどいらっしゃるそうで、ばっちりピースがはまりました。
さらに教授から「論文のオーサーとして業績が残せるよう、サポートするね。将来の臨床留学のキャリアに生かせるだろうから。」と言っていただき、返す言葉が出てこないくらいに感激しました。(内心、気にしていた点でもありました)
打ち合わせ前日まで「何を勉強すればいいんだろう?」と途方に暮れていたのですが、テーマが絞られたことでいよいよ、本格的な準備が始められるようになりました。


<国内での実験トレーニング>
先生方からとても丁寧に指導していただいて、長らく低下していた研究へのモチベーションも完全復活しました!
「一人でできる」段階のハードルが高いことで生じる戸惑い、一つの調製ミスが実験を台無しにしうるプレッシャー、自分から無理を言ってお願いしていることから生じる責任など、いろいろな重圧がのし掛かって必死でした。分からないことは逐一質問して、説明していただいたことはできるだけ聞き漏らさないようメモを取って、昼休みや帰りの通学時間に電子ファイルにまとめていました。
夜は疲れ果て、USMLEの勉強効率も下がり、Rare Job 中も意見が出てこず、ディスカッション中に沈黙の連続(苦笑)
 それでも1日1日成長している実感がつかめて、充実した日々でした。
サンディエゴでもそんな毎日が過ごせたらいいなと思います。


<柄系→iPhone>
iPhone6 plus に変えました。大きすぎて最初は戸惑いましたが、あっという間に慣れました。画面が大きい分、情報量や操作の面ではかなり快適です。基本的には左手で持って操作するのですが、手に馴染んでいい感じ。iPadの出番は大幅に減ってしまいました。5年後には大きいサイズのiPhoneが世の主流になっていると想像します。
 
 
<コンタクト> 
円錐角膜用ハードコンタクトを4年ぶりにメンテナンスしてもらいました。コンタクトに沢山傷が付いていると何度も何度も言われ続け、ブルーになりましたが(笑)、新しいスペアレンズも確保し、これでひと安心です。
 

<お土産>
医学×アートで内容のあるもの/日本らしいもの/壁に飾るものか実用的なもの/サプライズの要素があるもの、という4つの要素を満たすものをひたすら梅田で探し回り、夜にようやく3つ満たすものを見つけられました。医学×アートの内容のあるものは見つけるのが困難でした。喜んでもらえたらいいなと思います。

7月30日、31日に行われた特別講演。

<1日目:米国での臨床研修について>
先生は米国で長年お仕事をされながらも、日本の医療にも深く精通されていて、意見を沢山主張されていたお姿がとても印象的でした。見習わないと…。

◎ 小児がんのフェローシップ
 - レジデンシーを終えた後の専門研修
 - 先生のところでは毎年3人募集
 - 倍率は高く、10倍を下回らない
 - フェローシップもマッチングシステムを採用
 - 1年目は臨床、残り2年は Scholarly activity(大体は Bench or Clinical research)
 - 3年間にプラス1年して、オプションで脳腫瘍に取り組むなども可能
 - 仕事に制限がある。例えば、化学療法のオーダーは正式には一人で書けない。アテンディングがサイン(アテンディングの責任)

◎ 専門医試験
 - 7年ごとに更新(Recertifying the board)
 - テストセンターにてコンピューター試験
 - 落ちる人もいて、みな必死に勉強
 - インターネットの講義も受ける

◎ 仕事の細分化、専門化
 - 点滴専門ナース、採血専門スタッフがいる(レジデントのスキルアップの弊害にもなるが)
 - 「楽。はっきり言って私はこのシステムが好き」

◎ その他
 - シニアレジデントには下を指導するスキルが必須 
 - 米国の医学生は日本のレジデントと同等のレベル(点滴やカルテ記載も行う)
 - 米国は実力主義と言われるが、それでも実際には、政治力の方がよっぽど大事
 - 統計学・臨床疫学の知識を若いうちに身につけること!知識がないとペーパーのレビューもできない。安くはないが、John's Hopkins のネット講座は◎
 - 米国にはデータ入力等を行う専門のスタッフ(CRA: データマネージャー)がいて、医師がデータを入力する必要がない。日本で臨床研究が遅れがちな要因の一つはシステム面
 - ラストメッセージ
  ① 語学力
  ② リーダーに
  ③ まずやってみる



<2日目:米国での小児がん臨床試験について>
医師向けでしたが、臨床研究にも興味を抱いていたので出席してみました。この講演では、米国での小児がん臨床試験のシステムを学ぶことができました。日本ではなかなか学べるチャンスがないので、出席して大正解でした。臨床試験に対するビジョンが大きくひらけました。

本気で臨床研究や臨床試験に従事し、医学に貢献するならば、やはり臨床留学して、米国で臨床や研究に携わっていくべきだな、という思いもさらに高まりました。

◎ COG (Children's Oncology Group)
 - 小児がんの臨床試験を行う大きな組織
 - NCI (National Cancer Institute) 's Clinical Trial Cooperative Group の1つ
 - CCG (Children Cancer Group)、POG (Pediatric Oncology Groups) 、NWTS (National Wilms Tumor Study) が一緒になって、15年前にできた
 - 米国に約200、カナダに17の施設がある。ヨーロッパにも存在
 - 米国の小児腫瘍患者のほとんど全てがCOGの施設で診察を受けている!!!
 - CCRN (the Children's Cancer Research Network) というプロトコールに従う。新しい Every Child Protocol は Bio-banking も目的としている
 - メンバーは医師のみではない。Hemato-oncologist は1/5くらい

◎ 新しい薬の開発に必要な4つの核
 ・FDA(日本でいうPMDA:医薬品医療機器総合機構)
 ・NCI
 ・Industry(製薬会社)
 ・Investigation/ Academia(※)

  ※ 重要な立ち位置を占めるもの
 ・IRB (Institutional Review Board) 
 ・CRA (Clinical Research Associate)…データ入力
 ・Research Nurse
 ・Contract Office  

◎ TACL (Therapeutic Advances in Childhood Leukemia & Lymphoma)
 - 2005年結成、徐々に登録数↑
 - Phase 1, 2 は TACL が行い、寛解率を評価。Phase 3 以降は COG が担当し、生存率などを評価していく。TACL の存在により、コストパフォーマンス◎
 - TACL は COG よりもさらに製薬会社と密接に連携。製薬会社との連携なしには臨床試験は成り立たない。「日本はちょっと心配」
 - ハイリスク ALL に対する JAK inhibitors の開発

昨年春、イリノイ大学での英語研修の一貫として、シカゴ日帰りツアーに参加しました。博物館や市内を廻ったあと、シカゴピザ(タルトみたいに分厚くチーズたっぷり)を堪能し、他国の留学生たちと交流。

その帰り際、とても奇麗な小児科病院を見つけていたのですが、この度、そちらの病院にお勤めされている日本人女性の小児専門医の先生が新潟に講演に来られました。なんと、新潟大をご卒業された先生!
講演中に「いつでも見学ウェルカムですので、是非来て下さい」とうかがったので、終了後すぐに手続きなどを確認させていただきました。数日間であればビザも不要とのことで、病院見学が叶いそうです。


姉妹提携校での米国臨床実習から戻られたばかりの6年生(実習前にSTEP1に合格されている先輩)ともこの講演会で居合わせ、後でお話する機会が得られました。前々からうかがいたかったことについて詳しくお聞きすることができました。


定期試験ラッシュの最終日でしたが、めげずに講演に参加したおかげで、チャンスを次に繋げられました。

この日も、企画して下さった先生方、そして自らの運命に対して、感謝感謝の一日でした。

今年も野口医学交流セミナーに参加しました!
臨床留学を目指すなら絶対に参加すべきアニュアルイベント。

こちらの書で執筆されている先生が多数いらして、刺激的なセミナーが行われます。







<振り返り>
インタビュー対策
・ACGME Six Competencies とインタビュアーの視点に着目した、本質を射抜くご指導をいただきました!
・実践演習に立候補された参加者が、プロフェッショナリズムに満ち溢れた素晴らしい先生でした。医師としての立ち居振る舞いから患者さんへの思いやりまで、全てにおいて魅力的で、尊敬の念を強く覚えました。今の自分との差に大きな衝撃も受けました。
・「知識を問う試験は Six competencies の一つをはかっているにすぎない。点数をとることではなく、自分に足りないものを教えてくれることにこそ意義がある。『勉強の本質』を見失わない姿勢が大切だ。」
・「上の先生からいただいたチャンスや支えを、後輩に返す」ということ自体が「屋根瓦」であるという視点にも感動しました。

大変だったお話
”本当に辛かった” 臨床留学中の体験談を、3人の先生が思い切って語って下さいました。泣いたことや、今思い出しても胸が詰まってしまうほど悔しい経験、勤務時間制限で生じるジレンマ…。語って下さった先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。本や記事からは絶対に読みとれないであろう、本質的なメッセージが心に響きました。

一年越しの対面
対面したのは、僕が学士編入前から既に興味を抱いていた研修指定病院でお勤めされている総合診療の先生。昨年のセミナーで、鋭く、本質的、かつユーモアに溢れた見解をずばずば繰り出されていて、是非一度話してみたいと考えていました。
今日の懇親会でうかがったお話:
「うちは、臨床留学を念頭に置いた研修ではなく、本当に一人立ちのできる一人前の臨床能力を身につけるための研修を行っている。その結果として、臨床留学後にその経験が通用する。うちは全ての科でER型研修を行って徹底的に暴露させて、他で3年、4年かけてやることを2年間で詰め込む。そのスタイルをどう捉えるかは人それぞれ。キツいけど、必ずやりがいはある。ぜひ一度見学にきて下さい。」
強く惹かれました。「徹底的にこなす」ポリシーはきっと自分に向いていると感じます。
4年生で実習するチャンスを得るのはなかなか厳しいそうですが、来年の夏以降、何度も応募してチャンスを得たいです。

ハワイ大学、トーマスジェファソン大学などの先生方との交流
昨年は挨拶と片言の自己紹介くらいしかできませんでしたが、今年は、なんとか英語でコミュニケーションをとることに集中できました。(まだ全然ダメですけど)
M.D. と医学英語コミュニケーション修士号を持ち、旦那さんが UNITED のパイロット、という女性の先生と知り合いました。懇親会の半分以上は、その先生のお話を聞いて過ごしました。連絡先までいただいたので、来年のセミナーで、あるいは機会があればハワイで、必ず再会したいと思います。

同行されていた、ハワイ大学の医療コミュニケーション分野の教授、リトル先生の著書も近々読んでみようと思います。





<来年のセミナーに向けての抱負>
・英語をもっともっと上達させて臨む
・米国での研究実習や臨床見学の経験を生かす
・"STEP1 受験生"として立場を生かす
・より多くの先生・学生と、より幅広い情報交換をする
・自分からどんどん話しかける 

以前、『第一回・第二回 医師養成大学院(メディカルスクール)を考える』シンポジウムで、ミシガン大学家庭医学教授の佐野潔先生からお話を聞かせていただいた機会がありました。

今日はその佐野先生が指導して下さる少人数セミナーに参加しました。
朝のアイスブレイクから夜の懇親会まで、非常に充実した素晴らしいセミナーでした。

午後の「整形外科の基本診療(足首、膝、肩)」「婦人科の基本診療」では、家庭医診療の本質、プライマリケアの原点が少し垣間見えた気がしました。従来の「総合(診療)医」との本質的な違いを示していると思います。


<家庭医全般>

・家庭医=全科医 は、小さなお子さんからお爺ちゃんお婆ちゃんまで診られる。お産も診られる。予防摂取や健康診断もできる。整形のギブスもはめられる。鬱病のカウンセリングもできる。認知行動療法もできる。 
 

・何でも診られる先生が3人いた方が、循環器の先生1人・消化器の先生1人・泌尿器の先生1人の3人がいるよりも役に立つ。耳鼻科、呼吸器科、皮膚科、眼科を加えて7人の臓器専門の先生を集めても、1人の患者さんすらも診られない。


・家庭医は単に全科を診られる「何でも屋」ではなく、患者さんや患者さんの暮らす家庭全体の心理的・社会的背景を捉えて、一人ひとりの患者さんにベストの医療をカスタマイズしていくことが求められる。例えば、
韓国人の患者さんに「塩分を摂りすぎだからキムチを食べるのは控えて下さいね」といってもナンセンス。不安発作の症状をもつ40代の女性の方なら、薬を処方する前に「親の介護で過度の精神的負担を抱えていたりしないか?」とか「最近乳房にしこりが見つかったことで悩んでいるのではないか?」といったことも察して聞いてあげないといけない。ストレス性の胃痛の症状を持つ40代の男性の方なら、奥さんの更年期障害を治療することで、ストレスが軽減し胃痛が良くなるかもしれない。

 

<良かったこと>
・午前中のグループワークでは、一緒に組ませていただいた6年生や初期研修医の方々に何から何まで丁寧に教えていただきました。

・エクスターンプログラムで既に米国に短期研修に行かれた方も数名参加されていて、とてもよい繋がりを持たせていただく機会になりました。General medicine にとにかく情熱的な方や、臨床留学を目指す同志にも出逢えました!

・昨年末の交流セミナーでお話する機会が得られなかった外科の先生も懇親会にいらして下さり、お話する機会がもらえました。

・エクスターンプログラムの具体的なお話(必要書類(PS、推薦書など)や費用など)も伺いました。英語コミュニケーションスキルをしっかり身につければ、米国での短期学生臨床研修への参加がいよいよ実現しそうだ、という希望が持てるようになってきました。


今日のセミナーはとにかく楽しかったです。

指導して下さった佐野先生は、患者さんとのコミュニケーションの取り方、人付き合い、医療に対する姿勢、医学生・後輩医師に対する熱意、ユーモア、全てが自分にとっての目標そのもの。そういう先生に巡り会うことができて、本当に嬉しく思います。

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