A Little Bit Awesome

小児科(小児腫瘍科)の分野で国際的な貢献ができる医師を目指しています。それらの研修のため、米国臨床留学の準備も進めています。

カテゴリ:課外活動 > >> 医のアート

今年もウィリアム・オスラーに関する講演会に出席させていただきました。

<テーマ>
・オスラー病(Hereditary hemorrhagic telangiectasia;Osler-Weber-Rendu syndrome)
・がん患者さんへの作業療法
・空海の真実

三本目の講演は、精神腫瘍科の先生が、スピリチュアルケア学・死生観を学ぶための一環として取り組まれた、空海の精神医学的研究について。一次資料の研究を通じて、「空海はうつ病であった」という新説を提唱されていました。

うつ病になりやすい気質には、①メランコリー親和型(いわゆる”いい人”)、②執着気質(いわゆる"真面目な人")の二つがあり、前者では喪失体験が、後者では過重労働がうつ病発症のきっかけとなる傾向があるそうですが、空海の場合、メランコリー親和型+過重労働がうつ病発症につながったのではないか、とのことでした。晩年の空海が悪瘡(皮膚感染症の ”せつ”)を患っていたことも含めて、精神免疫医学的に健康状態を分析してみるなど、本質にせまるユニークな視点や手法は目からうろこでした。

こんな問題提起もありました。
「空海と最澄は、2日かかる文通でやりとりを行っていたが、もしも彼らが今の時代を生きていたとしたら、LINE で 30秒で連絡を取り合い、文書もPDFで添付して送信していたことでしょう。でも、かつて2日要したことを30秒で済ませられるようになったにもかかわらず、いまの私たちはどれだけ多くのものを逆に失ってしまったことでしょうか…」

興味深い脱線話も。

<SNS 依存症の病理>
① 対人緊張型:対人コミュニケーションで緊張してしまうタイプ
② スキゾイド型:人との距離が近すぎると不安に感じるタイプ
③ センター試験型:いいねの数で自己評価するタイプ
④ 自己愛型:写真投稿などを通して自分をアピールし確認しないと不安なタイプ

ドキッとしますね。

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今年も講演会に出席できて良かったです。大変ユニークで興趣の尽きないお話を三つも聞くことができましたし、魅力的な言葉にも出会えました。

 "I am a part of all that I have met." (オスラーが好んだ詩の一節より)

もうじき104歳を迎えられる理事長の、1年前と変わらぬお元気な姿にお目にかかれて、たくさんの元気もいただくことができました。

次の一年間は、今までよりももう少し頑張って、読書に時間をかけたいと思います

ANA の関連会社にて、「医療現場での接遇」の研修に参加しました。

接遇のプロから五感で学び、臨床実習で日々心がけていく課題を一つでも多く見出すことが目的でした。

自己投資、自己研磨、一流体験。

研修では、印象的なエピソードを通じてホスピタリティの心の部分を学び、実際の練習を通じて所作や言葉遣いを学びました。全てのカリキュラムが医療者向けに練られており、航空業界の接遇とのギャップは全く感じませんでした。

また、自らのプレゼンテーション録画動画を見ながら、フィードバックを個別に徹底的にいただきました。自己課題が改めて浮き彫りになり、克服への意識をぐっと高められました。


自己投資に見合う成果が得られるよう、日々の心がけと練習を通して、接遇力を高めていきたいです。

修得すべきは「洗練された品格」。

目標とする先生方に共通する魅力です。

映画「風に立つライオン」を観ました。

この作品は、内戦が続く80年代後半のアフリカで少年たちの治療にあたる日本人医師の活躍を描いています。(詳細情報 : http://cocoa08.com/movie/4716/


治療を終えたら再び内戦に戻って人を殺し続けるつもりでいる少年。
その心中にひそむ「憎しみ」を、日本人医師が見事に昇華させます。

テロと報復が繰り返される今の世界情勢を見ていると、戦争の根底にある「憎しみの連鎖」を絶つのは不可能なことのように思えてなりませんでした。しかし、この映画はそれが不可能でないということを示し、希望の光を与えてくれました。


非戦と平和の実現は、人種や文化を越えた命題だと思います。

日本人として、医師として、小児科医として、将来そこに果たしうるものが自分にもあるのだ、ということを自覚しました。

子どもたちに非戦と平和を訴え続けていくことの重要性を説く日野原先生の思いを、今になって少し汲み取れた気がしました。


石巻、長崎、アフリカをつなぎ、いくつもの大切なメッセージを訴えかけるこの映画が、世界中で上映され、一人でも多くの人たちの心に響くことを願います。

ウィリアム・オスラーに関する講演会に出席しました。
普段から参加させていただいている Case Study Seminar の時と同じ病院の同じホールで開催されました。

主催は、日野原重明先生(102)が会長を務めてこられた日本オスラー協会。
会員登録(年会費1000円)することで、定期刊行物を郵送していただいたり、年一回の講演会に参加させていただけたりします。
学生会員は5人いるそうですが、今回の講演に参加したのは僕だけでした。

参加者の平均年齢は推しはかるに60歳を超えていそうで、日野原先生や病院長をはじめ、メンバーも錚々たる大先生・大先輩ばかり。自分のような若輩がこの場に居てもいいのだろうか?と戸惑うばかりでした。

参加費を奮発して申し込んでいた懇親会も「やっぱり行かないでおこうかな…」と足がすくみましたが、日野原先生がお見えになったので勇気を振り絞って飛び込むことにしました。「箱ひげ図で参加者の年齢分布をとると、ひげに入るのは恐らく2人、日野原先生と自分だな」と、勝手に日野原先生に親近感を抱いて、不安を鎮めていました。

懇親会の席では、日野原先生と直接お話させていただくチャンスが訪れました。
機会があれば感謝の意を伝えようと、念のため持参していた著書(最も感銘を受け、日本オスラー協会登録のきっかけとなった著書)をお見せすることができました。

すると先生はいきなりサインを下さり、ツーショット写真まで撮らせて下さいました。


ウィリアム・オスラーから誰よりも多くを学び、その教えを日米に普及し、「医のアート」を実践してこられた日野原先生は、全人的医師としては雲の上のような存在で、自分にとって最高目標の先生。

その先生とご対面し握手を交わした瞬間から、「日野原先生に一歩でも近づこう」という覚悟が生じ、憧れが強い使命感に変わりました。


元々、日本オスラー協会に登録しようと決意したのは、「今の自分には医のアートの素養や教養が足りず、全人的な医師を目指す上で大きく不足しているものがある。だから少しでもそれを補っていかないといけない」という思いからでした。

今回のセミナーを通じて、自分が普段から心がけるべき習慣を明確に自覚しました。

世界的名著に日々触れること。

もうこれに尽きます。

ウィリアム・オスラー、日野原先生、そして日本オスラー協会のメッセージに耳を傾け、行動に移していきたいと思います。
 

感銘を受けた書

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー
医学書院
2003-09-01







国立がんセンター中央病院にて、「がんの痛み」に関する市民公開セミナーに参加しました。

患者さんやそのご家族と同じ目線で、痛み(がんに限らない)について学ぶ機会を得たいと思ったのが参加のきっかけでした。


◼︎ 痛みをこらえる患者さんはいっぱいいらっしゃる
・昼間は看護師さんたちに「大丈夫、大丈夫」と言いながら、夜中には疼いて痛みに堪えている
・痛みの悪化=がんの進行=死に近づいている証拠 と捉えてしまい、痛みをこらえようとする
・「いい患者で居なければいけない」という遠慮があり、主治医の顔色を見ながら痛みのことを伝えている
・「どうせ死ぬんだから」と、やけになって痛み止めやモルヒネを使わない患者さんでは、強い痛みがかえって人格の変貌を助長することになる。患者さんが医療者を信頼しきれていない、ということがその根底にある
・患者さんの方から積極的に痛みを訴えること、主治医との双方向の説明が十分になされることが大切
・医療者も患者さんの苦痛を毎日徹底してスクリーニングする必要がある(除痛率、QOLなど)。しかしそれは容易なことではない


◼︎ 患者さんの多くは 緩和ケア=終末期医療 と思ってしまう
・緩和ケア、モルヒネを勧められたら「私はもうダメなんだ」と思ってしまい、「嫌だ」と拒否してしまう
・緩和ケア=終末期医療 では決してないことや、治療初期段階から開始させる緩和ケアの意義について、患者さんに知ってもらう必要がある


◼︎ 心理的な痛みを和らげてあげることも大切
・「見捨てられること、苦痛の中で死んでいくことだけはいやだ」
・がん患者さん同士の集いの場があるということは重要。自分の居場所がある喜びを感じられることや、自分ががんであることを知ってくれる仲間がいること、自分の痛みを知ってくれる人がいることはとても大切なこと
『治すこと 時々、和らげること しばしば、慰めること いつも』(“ To cure occasionally, to relieve often, to comfort always”)(アンブロワーズ・パレ) 


◼︎ その他、印象的だったお話
・終末期に現れる患者さんの幻覚症状として、つじつまが合わないことを言うようになったり、暴言を吐くようになったりすることもある。ご家族の方も、幻覚症状に関する十分な知識が得られないまま、患者さんに十分向き合えないでいることがある
・「5年生存率というのは、私たち患者にとって嫌な言葉」
・「がんと診断された時は、家族に内緒で治療できるか、仕事は続けられるか、という2つの質問に対して主治医に回答してもらった。そのことしか記憶にない。あとは頭が真っ白で何も覚えていない」
・「再発が何を意味するか、わかっていた」


質疑応答の時間中、中央病院の先生の一人と何度も何度も目が合いました。先生の目線はとても鋭かったです。話を聞いてひたすらメモをとっていた僕のことを、若いがん患者だと推測されたのか、がん患者の家族と推測されたのか、医療関係者と推測されたのか、全く分かりません。しかし、その時の僕は、患者さんの視点、ご家族の視点、医療関係者としての視点を、偏りなく確かに自分の中に重ね合わせていた気がします。今後、精進していくにつれて医療関係者としての視点が優位になっていくのかもしれませんが、「三者の視点を重ね合わせる姿勢」は見失ってはいけないと感じました。

身体的、心理社会的、スピリチュアルな苦痛、という、患者さんのもつ様々な痛みに関して、表面的なことを学ぶ機会はあっても、その内実に触れる機会はなかなかありません。今回のセミナーは、次のステップにつながる重要な経験になりました。

2013年10月6日

東京銀座にて、ミュージカルを観賞しました。
102歳を迎えられた日野原重明先生のお誕生日記念。
すごいですね!

ミュージカルは日野原先生ご自身が脚本されたもので、とても心に響く素晴らしいミュージカルでした。
演者のプロフィールも極めて多彩。乳腺外科医、内科医、看護師、医療事務…。様々な職種の方々が力を合わせ、笑顔をモットーに1つのチームを結成していました。

今回のミュージカルは「葉っぱのフレディ」という絵本が原作。
木の葉の四季の変化、ただそれだけを描写したものなのに、そこに込められた死生観、生きることの意味、いのちの循環について考えさせられます。
切なく、悲しく、終盤には観客の多くが涙されていましたが、最後には温かい気持ちになり、先生も登場し、賛美歌を歌いながらのエンディング。
拍手喝采で、「ブラボー!」の声も至るところからあがっていました。 

最高に素晴らしいミュージカルでした! 

病気で苦しむ患者さん、死を迎えんとする患者さん、そしてそのご家族の方たちの心を癒すために、自然や音楽の力が大切であるということを深く感じました。

これから先のことを考えると、今年で日本30周年を迎えたディズニーの世界や音楽も、日本の医療とさらに重要な接点を持つようになってくるにちがいありません!


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今回の東京滞在で新しいイベント情報を得ました。
都内を10km歩き、膵臓癌の啓発活動を行うイベント。大きな予定がなければ参加してみようと思います!
→日程の都合が合いませんでした。残念ですが、また次の機会に!!

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