A Little Bit Awesome

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都内病院で行われたアレルギー・膠原病分野のケーススタディセミナーに参加しました。

今回は、シムリンピック&医学教育学会の学生懇親会でお会いした他大学の先輩をお招きしました。(米国臨床見学や首都圏でのケーススタディなど、課外活動の領域が僕と近く、お世話になっている憧れの先生が共通している方)

その他にも、水戸のケーススタディでお世話になった先輩や、ブログで最高の目標にさせていただいてきた先生も参加しに来られていましたし、プレゼンターもこれまで同様、目標にさせていただいている先生方。2時間その場で勉強するだけで、「これからも頑張ろう!」という気持ちがぐんと高まります。


今回は早めに会場に向かい、座長に確実に当てられる席に座りました。
少し発言はできましたが、膠原病の最適な鑑別は判断できず。邪道な(?)リケッチアを挙げて、根拠説明はしどろもどろ。良い質問も思い浮かばず、勉強不足を痛感しました。

医学知識が少し身について0から1になったことで、今度は、100あるいはその先までの道のりの険しさを直視するようになった感じがします。分かることが増える喜びを感じるのは4年生までで終わり。これからは、どれだけ自分が分かっていないかということに目を向けて、勉強不足箇所を克服していきたいと思います。


☆ 毎回自然体で、リラックスして、失敗を恐れず、積極的に発言できる
☆ 論理的な説明が伴った的確な鑑別診断、方針をあげられる
☆ 場全体を盛り上げられる本質的な質問ができる(ぐらいの深い理解力を身につける)

引き続き、これらの目標達成に向けて、普段の地道な積み重ね(1つ1つ調べる、1つ1つ考える、1つ1つ覚える etc)を大切にしていきたいです。

都内病院のケーススタディセミナーに参加させていただきました。
1年半前に1度だけ野口のメーリスで招待されて知ったセミナー。2回目以降は第一三共さんが案内を送ってくださったので、参加を続けられました。

内容はこれまで同様、米国の指導医が座長をされてのケーススタディと、アレルギー・膠原病科の先生おふた方の講演。


① 発熱、心窩部痛で受診したリウマチ性多発筋痛症の高齢女性
演者・座長と研修医のインタラクティブなやりとりがあり、論理的に進められます。毎回学ぶことが絶えません。
座長は頻繁に英語で質問を投げかけてきます。何人かの研修医の先生方は、鑑別診断や自分の意見を理由も含めて英語ですらすら答えられます。「IE(感染性心内膜炎)を考えて血培をとります」のようなキレキレの発言内容しかり、Active Learner としての姿勢しかり、2、3年後の自分の目標像そのものです。
今回の症例は大動脈に石灰化をみとめ、血液培養からは らせん菌の Helicobacter cinedi が同定されました。めずらしい細菌の感染によって引き起こされる大動脈瘤でした。
粥腫が形成される分子機序のほか、多発筋痛症患者への側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎 GCA:僕が今回予想した疾患)の合併に関しても3つの文献から興味深い情報が引用されていて、最後まで楽しめる症例発表でした。
最後は、NEJM から引用したという "The spiral mystery of Asynergy" というサブタイトルに韻を踏ませての締めくくり:"The spiral mystery of  a cinedi" 。座布団が必要でした(笑)


② 発熱を伴う皮疹の症例
てっきり膠原病のレクチャーだと思っていて、ピットフォールにはまりました。アナフィラキシーの初期診療がテーマでした。CareNetの教材に基づいて、症例ベースで進められました。研修医の先生がアドレナリン自己注射用器材(エピペン)をぬいぐるみに対して使用する実演デモもありました。『レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル 第2版』(医学書院)を読んでこればよかったです…!(2年前に大学の調べ学習で出会って一目惚れし、昨年セミナー前に新幹線の中で読んで二目惚れしたテキストの改訂版)



毎回こちらの著者のレクチャーを拝聴してきました。膠原病はさることながら、アレルギーももっと沢山勉強したい気にさせる、マジシャンのような先生です。そのマジックを裏打ちするのは、先生が学生時代から継続されてきたひたむきな積み重ねだと思います。それも、並大抵でない積み重ね。「ハリソンを学生時代に英語で全て読む」「NEJMも4年生の時からコツコツ読み続ける」「専門書も学生のうちに読んだ」「常に患者さんや後輩の先生方の目線で考える」…。
先生は週刊医学会新聞の記事の中で「得意なことの中で、好きなこと、そして誰かの役に立つこと。そのように進路を考えれば迷うことはない」と主張されています。
自分も然るべき道に向かって、然るべきものをひたむきに積み重ね、自分らしいマジックを発揮していきたいです。


③ プライマリケアでできる骨関節X線読影(後篇)
初参加時と同じ内容のレクチャーでした。相当量のノートを取っていた当時の気合の入りように驚きながら、新たに学んだことを赤で書き足していきました。
今回の収穫はなんといっても、脊椎のX線所見を見るのが楽しくなったこと。Alignment、Bone、Cartilage の順に見るべきところを見ていくと、椎間板炎、強直性脊椎炎、前縦靱帯硬化症、椎間変性症、脊柱すべり症、椎体圧迫骨折の判断の仕方が理解できるようになっていきました。
スライド内容の多くは(トップ)ジャーナルから引用され、質の高いエビデンスが集結していました。EBMの作法もどんどん見習っていきたいです。
先生は、僕が臨床留学を目指すきっかけを得た本の著者で、米国式のプレゼンテーションや、臨床現場でのコミュニケーションに関する参考書も書いてくださっています。今ちょうどそれらを読み進めているところです。とても充実しています。一歩一歩、目標に近づいていきたいです。








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プラリア、ネキシウム(いずれも第一三共さんの製品)の話題が、毎回のようにレクチャーの余談に登場し、和やかな雰囲気に包まれます。夜遅くまで献身的にセミナーをサポートしてくださるMRさんに対する感謝の気持ちが込められていて、いつも嬉しくなります。
プラリア:抗RANKL抗体製剤、デノスマブ。ステロイド治療で問題となる骨粗鬆症の治療薬
ネキシウム:PPI。NSAIDs治療で問題となる消化性潰瘍の治療薬



<反省>
今回は発言する機会(というより勇気)が全くなく、不完全燃焼でした。
1年半前から成長のない自分に失望しました。
次回(5月は参加できない可能性が高いですが…)は確実に当てられる位置に着席して、根拠も含めて意見を述べたいです。質疑タイムに必ず質問もしたいです。

<課題>
Active Learner に変身すること!

都内病院のケーススタディセミナーに参加しました。昨年9月以来、5回連続の参加になります。

内容はこれまで同様、米国の指導医が座長をされてのケーススタディと、米国で臨床経験をお持ちのアレルギー・膠原病科の先生おふた方の特別講演。合わせて2時間ほどのセミナーが、教会のようなホールで行なわれました。

今回は、ケーススタディの時に突然ピンポイントで指名され、初めて発言させていただきました。座長に顔を覚えてもらっていて嬉しかったです。食い下がって参加し続けてきたご褒美のように感じます。

…とか言いつつ、実は、当てられる直前に僕の方から座長に熱烈な視線を送っていました。今回こそは発言してみたいと密かに企んでいたので、ミッションクリアです。


<両側強膜炎の一例>
Uveitis(ブドウ膜炎)の鑑別が First Aid に載っていたのでその内容を予習して臨みました。これまでのノートも少し復習していきました。講演前から「膠原病のHLA-B27関連疾患(血清反応陰性関節炎:反応性関節炎)が怪しいだろうな…」と踏んでいましたが、やはり予想どおり、鑑別にあがりました。勉強していった甲斐がありました。

しかし今回の症例では関節炎も皮疹も認めず、HLA-B27陰性。培養検査陰性。とても興味深い症例です。そして急展開。
来院までの経過を再度問診したところ、患者さんは最近、連鎖球菌に感染して抗生剤治療を受けていたとのこと。「困ったら History Taking に戻る!」という姿勢がやはり大切。

鑑別から診断まで、何度も UpToDate が活用され、最終的に Post-streptococcal Scleritis と診断されました。

奇しくも、A群連鎖球菌はこれから取り組む研究実習のテーマ。
ますます興味が膨んできました。

☆ 強膜炎(Scleritis)のポイント
・50%は全身性の疾患を背景とする
・感染の2大要因は、VZV、トレポネーマ(梅毒の原因菌)
・CTD(結合組織疾患)の2大要因は、RA、AAV(ANCA関連血管炎)
・サルコイドーシスを忘れない(ミステリー疾患。眼症状しか出ない場合もある)
・Red flags for red eye (赤い目を診た時に重篤な疾患を疑わせるサイン)
 ⇒ ①Pain、② Photophobia(光過敏)、③Blurred vision(目のかすみ)
(この3つをすらすらと挙げるレジデントを目の当たりにして憧れる)
・膠原病と決めてかからない!


<今後の展望>
次回は12月中旬。渡米期間と重ならず、また参加できることに大喜びです。

回を重ねるごとに、分かる内容が少しずつ増えてきて、医学知識と英語力の両輪が徐々に形になってきたように感じます。「何の話をしているのかさっぱりわからない」「説明されている疾患について何も知らない」「英語で何を言っているのかわからない」といった種々雑多のストレスが軽減されてきました。楽しさや期待感が増してきましたが、一方で、普段の積み重ねの大切さもより一層噛みしめるようになってきました。

目標にさせていただいている先生方のお話を聞いていると、やはり、先生方は今の自分なんかよりも遥かに沢山の努力を学生時代から積み重ねてこられているのだ、ということを確信させられてしまいますし、ドクターGを観ていても、いかに自分が知識不足かということを思い知らされます。


<余談>
先日のレジナビで、
「何もない、ごく日常のありふれた1日1日をしっかり過ごせるよう心がけなさい」
というアドバイスを下さった先生がいました。病院のアピールなどお構いなしに、大切なメッセージをひたむきに説いてくださった姿勢そのものにジーンときました。(昨年の野口医学交流セミナーにもいらした外科の先生で、その時は臨床留学のための面接対策について熱く講演して下さいました。)

また、その先生の病院からは研修1年目のレジデントも一人いらしていて、病院の概要を丁寧に説明して下さいました。そのレジデントがどなたか、対面した瞬間に見当が付きました。いつかこの日が来るだろうと思っていましたが、とうとうやってきました。ブログ「あしたっていまさ」を書いておられたMITAKA HAYATO 先生でした。

臨床留学を目指すためには、人一倍努力して普段の積み重ねを大切にする姿勢と、目標に突き進む情熱や使命感、これら両方が伴わないといけないのでしょうが、それを本当に成し遂げてこられた先輩や先生方を目の当たりにすると、本物の勇気がわいてきます。

自分もそのような先輩・先生に少しでも近づいていきたいです

都内病院のケーススタディセミナーに参加しました。
昨年9月から毎回参加させていただき、今回が4回目でした。 

授業期間の木曜夜だったので、行きは新幹線、帰りは夜行バス。
わずか2時間のセミナー、5時間の滞在のためだけに高額の交通費をかけて上京するのは愚かな気もしますが、必ず自分の成長につながるセミナーだと確信していたので、妥協はしませんでした。

これまで同様、米国の先生が座長をされてのケーススタディと、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の特別講演を、教会のようなホールで見学しました。前2列の左側に1年目の研修医、右側に2年目の研修医が呼び集められ、演者とレジデントの間に双方向性の信頼関係が感じられる、和やかな雰囲気の中、セミナーは進行していきました。別の専門の先生や他病院の研修医なども参加されていました。『あなたへの医師キャリアガイダンス』(医学書院)という本で執筆されている先生の一人で、深く印象に残っている先生が、自分の斜め後ろにいらっしゃったのは驚きでした。


<テーマ>
①『 繰り返す原因不明のアナフィラキシーの一症例』
② 『Just Job or A Just Job(研修の楽しみ方)』
③ 『プライマリケアでのNSAIDs使用の注意点』


① 繰り返す原因不明のアナフィラキシーの一症例
アナフィラキシー様症状(顔面紅潮と息切れ)を主訴としながらも高血圧を呈する症例。最終的に絞られた鑑別疾患は、カルチノイド症候群、甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、傍神経節腫で、診断は傍神経節腫でした。
・アレルギーを持つ患者さんへの問診で着目すべき点や、今回のケースで頭に入れておくべき鑑別疾患などについて、明快に理解できました
・身体診察と病歴聴取が重要!
・治療よりも原因追求が大切→ER医の診断は鵜呑みにしない!(座長のアドバイス)
・出発前に大学の図書館で『レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル』(医学書院)を借りて、アナフィラキシーの項目を行きの新幹線で読んでいた甲斐があり、ケーススタディの内容が理解しやすく感じられました。この本に出会ったのは、昨年の今頃、グループ学習で薬物アレルギー(薬物過敏症)の症状に関するレポートを書いた時でした。図書館でアレルギーの教科書に片っ端からあたっても、得たい情報が体系的にまとまっているものは皆無でしたが、本書だけ唯一、症状がわかりやすくまとめられており、感激した覚えがあります。この本の著者が講演②の先生ご本人だということも、今となっては大変驚きでもあり、十分に納得もできます。

② Just Job or A Just Job (研修の楽しみ方)
「せっかく働くからには、取り組む姿勢を磨いて、正義のために、楽しく研修しましょう」というニュアンスのテーマ。

・映画「パッチ・アダムス」に出てくる医学部長の言葉:
「確かに人間はミスを犯します。しかし患者さんは1つしかない命を君たちの手に委ねるのです。そして、患者さんには君たちと同じように守るべき家族や、この上なく愛しく思ってくれている人がいます。だから、ここでは君たちを人間から医師に変えます。医師という絶対にミスをしない存在となるために、君たちはここに来ました」(『研修医になったら必ず読んでください。』より引用)
・にっこり微笑んでしっかり挨拶する(全く何の根拠もないプラス評価が得られるかもしれない)
・日本人らしさを武器にする
・患者さんに信頼してもらう(患者さんの前で手を洗う、服装を整える、話を聞くときは聞く)
・礼儀正しく
・いい加減なことを言わない
・やりとげる
・5W1H(ささいなことでも患者さんから病状の変化を教えてもらえるように、話しやすい関係を構築する)
・自分だったらどうしてほしいのか考える
・"May I ask you a quick naive question, please?"(国際学会での話しかけ)
・Double Standard: 自分に厳しく、他人に強制しない
・アドバイスはとにかく受け入れる(→今後もアドバイスをもらえる→いつか必ず助かる時が来る)
・人に必要とされる人になる

『研修医になったら必ず読んでください。』(羊土社) をもう一度読んでみます!
まだ4年生ですが、僕が同級生に本を一冊紹介するなら、迷いなく本書を選びます。
無理矢理貸し付けるかもしれません笑。

③ プライマリケアでのNSAIDs使用の注意点
・副作用の薬理学的機序/胃腸粘膜障害や心血管イベントなどの有害事象を生じるRisk factors/PPI・misoprostolなどの併用/Cox2 inhibitors の波乱万丈の歴史/先生ご自身のコホート研究結果/各薬剤の特性と望ましい適応場面などを学びました。系統的に教わることができて、最後までかなり楽しかったです!
・セミナー後、First Aid の NSAID 関連項目(索引で引いた16箇所)の内容をすべてノートに箇条書きして再整理しました。系統的に基礎知識を整理できると興味がより一層ふくらみます。
・NSAIDsは緩和ケアでの疼痛治療にもとても重要な薬ですし、これからもどんどん理解を深めていきたいです。


<今後の課題>
・英語スライド内の未知語彙、未知疾患が減ってきて、理解に困ることが少なくなってきました。これからは理解スピードもどんどん上げていきたいです。

・以前は分からないことだらけで、セミナー中にできることといったら、自分の知っている知識を必死に探し出して再確認することと、何とか理解できた断片的事項・具体的エピソードをメモすることくらいでした。しかし今回は運よく、大学とFirst Aidの両方でじっくり勉強した分野が多く、ほんのわずかながらそこで身につけてきた基礎知識を駆使して「確かに新しい臨床知識を学んでいる」という実感が得られました。次回もこの感覚ができるだけ多く得られるよう、地道に知識を増やしていきたいです。

・ケーススタディに積極的についていくだけの知識や思考力は未だ全く足りず、座長がふってくださる質問に対しても、アイデアがなかなか思い浮かばない状態が続いています。研修医の方たちが的確な発言をどんどんされている様子が本当にまぶしく映ります。その内容をひたすらメモすることはできたので、復習して自分も的確な発言ができるよう、成長していきたいです。


<次回(8月末)に向けて>
① 医学知識の骨組みを固める
・First Aid を1周勉強する
・First Aid Cases を1周勉強しながら、First Aidをじっくり復習する

② 診断プロセスを考える経験を積む
・『誰も教えてくれなかった診断学』(医学書院):再度熟読、まとめる
・『北米式 臨床力強化プログラム Vol.1, 2』(Care Net DVD):図書館で借りて視聴、まとめる
・その他、Care Net DVD、ケーススタディ関係の本で自主学習を進める


今後もケーススタディセミナーを自己成長のチェックポイントにして取り組んでいきます。

都内病院のケーススタディセミナーに参加させていただきました。

前回同様、米国の先生が座長をされての症例検討と、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の講演。合わせて二時間ほどのセミナーが、教会のようなホールで夜に行われました。

「関節痛(急性or慢性/単or複)」「皮疹」「40度以上の発熱」「発熱が関節痛に先行」など、今までの鑑別リストを復習して臨みました。

今回も最後まで診断が見えず悔しかったですが、頻度的にまれな疾患(今回は血管炎)を疑うまでの思考プロセスを学べたことは大収穫でした。
 

レクチャーでは先生が「4年生のときからNEJMを購読していた」とおっしゃっていたのが印象的でした。
「そこの3年生の学生。ハリソンを読んだり、病院のセミナーに参加したりするくらいにやる気があるんだったら、4年生からはNEJMを読みなさい」
というメッセージだと勝手に解釈させていただきました。


勉強不足でわからないことが多かったので、次回までにしっかり勉強を進めていきたいです

9月に引き続き、都内病院のケーススタディセミナーに参加させていただきました。

前回同様、米国の先生が座長をされての症例検討と、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の講演。合わせて二時間ほどのセミナーが、教会のようなホールで夜に行われました。

今回は授業期間中の木曜。
4限の途中で教室を抜け、新幹線で東京に直行。
帰りは夜行バスで戻り、朝8時半から再び授業、という強行スケジュールでした。

テーマ
① 皮疹と関節痛で受診した患者さん
② ある糖尿病患者さんの合併症
③ 糖尿病に伴う膠原病類似症候

(以下、未熟な解釈のため情報の誤り等があるかもしれません。ご了承ください)

①:「いかにもSLEのようだが、実は…」という興味深い症例でした。
「発熱」「両側性の関節痛」「低補体」などの現病歴が述べられたあと、まず大まかな鑑別疾患のカテゴリーがディスカッションされ(Autoimmune、Neurological、Infectious など)、その後、論理的に臨床推論が進められていきました。
関節痛については、Mono/Poly、Acute/Chronic の2×2表で鑑別疾患が整理され、その質の高さに感動しました。プライマリケアにおける本質的な臨床的推論の方法を示して下さる座長の先生に、今回も強い魅力を感じました。
その後、 SLEの診断基準を満たすことも確認し終わり、確定間近になったとき、上級レジデントが指名されて意見を求められました。その先生は「Parvo を除外したい」と、核心的な回答をされました。
最終診断は Parvovirus B19 感染でした!
自分に知識があったら、もっともっと楽しめただろうなぁ、という症例でした。

②③:ついていくのが大変でしたが、楽しく聞くことができました。お話の筋道やキーワードをこまめにメモしたので、一つひとつじっくり調べてみることにします。

印象に残った内容
・患者さんが話したいことを話すのではなく、こちらが聞くべきことを聞く
・腹部身体所見⇒肝臓が腫れているのか脾臓が腫れているのかの区別は重要
・骨折椎体数と死亡率は相関⇒”Make the first fracture be the last !”
・肝症状へのアプローチは ①Hepatocellular、②Cholestatic、③Infiltrate のどれかを考えることから
・NEJM Case Records ⇒症例を読んで解説を読んでというやり方ではなく、その場で一つずつ調べていくのがいい
・蜂窩織炎はまずマーキング
・発熱・頭痛の鑑別⇒感染症、悪性腫瘍、膠原病、薬剤、脳血管など大まかな分類で整理して考える
・痛風では肉よりも糖分の摂取を抑えるべき。∵核酸代謝産物⇒体内合成:摂取=5:1
・ティラノサウルスは痛風だったらしい(1997 Nature)
・犬、猫、彼女に噛まれた場合、彼女に噛まれたケースが一番ヤバい
・100%野菜ジュースは糖分が多い⇒子供にあまり飲ませてはいけない
・血糖を良くするためには常に動く!循環をよくすることが極めて大事(糖尿病専門医のコメント)


感想
・医学英語力上達の手応えを確かに感じた一方で、知識の圧倒的な不足を痛感
⇒「ハリソンをずーっと読んできて、いったい何を勉強してきたんだ!?」と自分自身に怒鳴りたくなる。レイノー現象なんかも、教科書に載っていた写真のおじさんの髪型(←関係ない)とか顔色とかは思い出せるものの、いまだにその病態生理や臨床的意義などは全く覚えていない。医学英語に大量暴露するプロセスをいよいよ卒業して、網羅的・構造的な知識習得にひたすら徹するべき時が来た。

・参加されていた先生やレジデントの方々のご様子、場の雰囲気などを改めて体感
⇒マイペース/いつもリラックス/明るく笑顔が絶えず表情豊か/存在そのものが癒し/安心感がある/お疲れモード/次の仕事への取りかかりが極めて迅速/キレキレの鑑別・診断スキル/英語モードへのナチュラルな切り替え、などなど。


次回は3月中旬に開催されるようです。その時までには大学で膠原病を学んでいますし、FIRST AID の免疫分野の学習も完了している予定なので、万全の準備をして、また自分の成長点と課題を見いだす契機にできればと思います

都内病院にてケーススタディセミナーに参加させていただきました。

内容は、米国の先生が座長をされての症例検討と、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の講演。合わせて二時間半ほどのセミナーが、教会のようなホールで夜に行われました。

臨床推論、症例プレゼンテーション、先生方の熱意、セミナーの雰囲気などを、自分の目で見て、体感することができました。期待以上に素晴らしいセミナーでした。

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・アルゴリズムを用いたり、列挙した選択肢から論理的に絞ったりして疾患をつきとめていくプロセスが徹底されていた。

・要所で症例発表を中断し、聴衆(研修医)に「このケースで考えられることに何と何がある?」と どんどん質問をふり、建設的なディスカッションを組み立てていく座長(指導医)の熟練したスキルを目の当たりにした。

・状況に応じて英語も交えて自然にディスカッションが進んでいくスタイルが心地よかった。

・医師と患者のやり取りを、キャラクターと吹き出しで漫画風に再現したスライドが、非常にユニークでわかりやすかった。「痛みをとるお薬」「病気を元からよくするお薬」など、患者さんにわかりやすく説明するために重要そうな表現も入っていた。

・研修医を数名、最前列に移動させて、仲良くディスカッションしながら進めていくスタイルも大変ユニークで、双方向性の信頼関係や熱意を感じた。

・最後の質問に対してズバリ正解を述べられた研修医の方を、先生が発表後に惜しみなくねぎらわれていた姿に感動した。

この他、内容そのものに関して学べたことも多々ありました。大事なメーセージが至ってシンプルで、お話もとても面白く上手なので、医学部低学年の自分の頭の中にもすっと伝わってきました。すごいなと思います。
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( 反省1)
「 頻脈の場合にどのようなことが考えられるか?」
最初に当てられたレジデントの方が”Sepsis”と答えたあと、僕の番が回ってきました。最初から”I'm sorry. I'm a third year medical student.”と構えてしまいました。その直後、別のレジデントが回答、"Meningitis"。Sepsis とくれば、meningitisがぱっと出てこなきゃ、3年生としても失格…。猛反省しました。
 
(反省2)
「 Eosinophilia の場合、主に何と何が考えられる?」 (主なものは寄生虫感染、自己免疫疾患など)
「寄生虫!」は即答できるのに、なぜか答えませんでした。
気持ちは積極的なはずなのに、行動が消極的。積極性が足りない自分を責めました。そして、そういう自分はセミナーで前に座るべきでない。

Be Active Learner!

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