USMLE Step 1 で高得点をとれなかった反省を含め、留意点をまとめました。

① 難化傾向続く(?)。少なくとも UWorld レベルの難度を想定しておいて損はない
本番はブロックごとに難易度に差があり、特に難しいブロックは UWorld 以上の難度でした。症例内容につかみどころがなく、選択肢にも、First Aid に載っていない見たこともない疾患が幾つか含まれていて、その中から "Most likely" なものを選ばないといけない問題には、嫌というほど当たりました。全く手に負えずに当てずっぽうで選ぶしかない問題が5題くらい続いたりする苦しい状況も2度ありました。
<参考サイト> New Changes to Step 1 for 2016
 

② First Aidだけでは現行のStep1の出題範囲はカバーできな
First Aid for the USMLE Step 1 は対策に不可欠で、試験前に必ず暗記しないといけませんし、自分もある程度それを果たしました。しかし、UWorld や Kaplan Qbank を勉強するとすぐにわかりますが、First Aid の知識だけで対応できない問題は際限なく登場してきます。残念ながら、本番も同様でした(First Aid に完全準拠している Rx Qmax だけがむしろ特殊。あくまで First Aid の知識を身につけるための基礎固め用。そういう点から、Rx Qmax は1周で良かったです)。本番の出題範囲は本当に膨大でした。
 
 
③ UWorld の難問・奇問ほど、本番に類題が出る可能性があると思って入念に勉強すべき
本番で実際に出題されたからこそ、そういった問題が復元されて類題として Question bank に登場するのだと思います。特に UWorld の類題は本番でも各ブロックに数題程度出てくるので、UWorld は模試も含めて全問解ける状態で当日を迎えないといけないです。なけなしの類題を自信を持って解答できないと、本番で痛い目に合います。
 

④ オンライン問題集を2つマスターしてもNBME模試で目標スコアが出ないなら、迷いなく3つ目に取り掛かるべき。高得点を取るには Kaplan Qbank がやはり必要だったかもしれない 
「2つのオンライン問題集を繰り返し解いてマスターすれば、さすがに本番の大半の問題に対応できるだろう」という当初の考え方は甘かったです。Rx Qmax, UWorld のみならず、NBME模試、Kaplan Qbank / Qbook などで新しい問題を1題でも多く妥協なく勉強し続けるべきでした。あるいは Firecracker(後述)でより広域に未習知識をカバーし続けるべきでした。これが高得点をとれなかった最大の要因だったと考えています。
First Aid 2016 の教材評価では、Rx Qmax:A、Kaplan Qbank:A- となっていて、Kaplan Qbank の欠点としては "sometimes emphasizes recall of overly specific details rather than integrative problem-solving skills." と書かれています(インターネット上の付録サイトより)。しかしその前にちゃんと "A high-quality question bank that covers most content found on Step 1" と利点も書かれてありました。医療安全系の問題(2016年5月9日から新たに出題範囲に)がうっとおしかったり、Rx Qmax や UWorld で見たことのない難問・奇問が多かったりしたため、僕は Kaplan Qbank を途中で切り上げて、Rx Qmax や UWorld の解き直しに時間を割くことにしたのですが、やはり Kaplan Qbank を最後まで勉強しておくべきだったと思います。Kaplan は最大手の予備校ですし、本番の情報が集まりやすいであろうことを考えると、Kaplan Qbank の方が Rx Qmax よりも再現問題を多く含んでいても全くおかしくないです。First Aid の巻末で Rx Qmax の方が Kaplan Qbank よりも高評価になっているのは、自社が作っているオンライン問題集だからという点も反映されていると思います。教材評価内容を個人的に解釈し直すと以下のようになります。
 
Rx Qmax
◎ 問題が良質
◎ First Aid に即していて初学に最適
△ 本番の問題に十分に即しておらず、UWorld や Kaplan Qbank とも出題ポイントがややずれる

Kaplan Qbank

◎ 本番の出題範囲がよりカバーされている
△ 奇問が目立つ
(という点において雰囲気が本番に近い


⑤『演習問題数に比例して得点力が上がる』『10000題解けば240取れる』を正しく解釈する
解き直し問題を総演習問題数にカウントしていたのがそもそもの誤解でした。新しく解いた問題のみをカウントすべきです。また、勉強した問題のなかでも、本番で類題が出た時に100%絶対に正解できる問題だけをカウントすること。2周解くのは、あくまで(能力的に限界があって)1周でマスター出来ない場合に行う補習と捉えること。
あと、やはり UWorld を勉強する際は、問題を解くために必要な知識とその近辺領域だけでなく、解説でカバーされている内容をより網羅的に勉強しておくべきでしたUWorld 1周目をもっと早く始めて、テストモードで解かずに、1問1問じっくり勉強するのも手だったかなと思います。本番では見たことのない問題が本当にたくさん出るので、問題集の問題で正解するために必要な知識だけでは対応が難しかったです。
<参考サイト>  Five Biggest Mistakes Students Make With USMLE World


⑥ 英語力(速読力、精度)が伴わないと得点力は伸びてこない
2016年5月9日から1ブロックの問題数が40題に減りましたが、問題文がかなり長くなり、マルチステップな思考のハードルも上がっていると思われるので、相当レベルの速読力と読解精度が伴わないと、必ず足を引っ張ることになります。問題数をこなすことでカバーできる部分も大きいので、Timed mode での演習量も重視すべきです。UWorld は必ず2周解きましょう。
 

⑦ 最後は日本語での知識量がものを言う。学業は大事!
オンライン問題集、First Aid for the USMLE Step 1、大概の人が使用するメジャーな補助教材(BRS Behavioral Science, Rapid Review Pathology など)だけでカバーできない問題は、学業や、日本語で勉強してきた知識でカバーするしかないです。日本語で相当量の医学知識を身につけておかないと現行の膨大な出題範囲の Step 1 に対応できず、なかなか高得点には届かないと思います。アメリカの医学生たちが普段から重点的に学習している知識を日本で習っていなくて知らない、といった類のディスアドバンテージをも埋められるだけの、日本語での知識量が必要です。早期から First Aid に頼りすぎる勉強は良くなかったです。
 

⑧ 模試は予想スコアを出すためだけのものではない。間違い直しも大事
予想スコアだけが出る$50バージョンと異なり、$60バージョンの NBME 模試を購入すると、受験後に自分の間違えた問題を確認できます。解説はおろか、解答すら付いてこないので復習がしづらいですが、間違い直しも必要だったと感じています。(公式のものではありませんが、ネット上に解答例のサイトもちらほらある模様;古いですが No.1-13の問題と解答例の入手先はあるようです)。僕は最新の NBME 模試 No.18(153/200、予想スコア:224)しかやりませんでしたが、その時に迷った問題が1題、本番にそのまま出てしまい、十分に復習しないまま受けたことを強く後悔しました。(因みに、UWorld 模試からも何題か類題が出ました。僕の時は、本番の第1ブロック第1問目がまさにその1つでした)。コストがかかりますが、NBME 模試も早め早めに数多く受け、1問でも多く勉強しておいて損はないです。


⑨ 最新の公式サンプル問題をチェックしておいた方がいい
USMLE の問題は定期的に傾向が変わるようですが、変わり目でプール問題ががらりと変更されるのではなく、日進月歩、連続的に変更されている感じがします。新課程に移行する直前に受験する場合でも、最新の公式サンプル問題を解いて傾向や特徴を掴んでおくことは重要です。難化傾向にあることも容易にわかると思います。
<参考サイト>
公式サンプル問題サイト:http://www.usmle.org/practice-materials/ 
公式サンプル問題PDF:http://www.usmle.org/pdfs/step-1/2016samples_step1.pdf
解答・解説サイト:http://www.benwhite.com/medicine/explanations-for-the-2016-official-step-1-practice-questions/


⑩ どれだけ本番ができなくても、NBME 模試の点数は信じていい
「本番が信じられないくらい難しくて、寝不足でコンディションも悪く、第5ブロックくらいから頭も疲れてきて、NBME 模試の時よりもはるかに手応えが悪い。精彩を欠いて、普段できるはずの問題もボロボロ落としてしまっているに違いない。合格している気が全くしない。落ちたかもしれない」...そんな面持ちで試験を終えたとしても、なお、NBME 模試の予想スコアは信じていいと思います。きっと他の人たちも同じようなコンディションで、同じような感触です。自分の得点率がどれだけ低くても、結局のところ、Mean 230, SD 20 になるようにスコア化されるので、過度に心配する必要はありません。NBME 模試の予想スコアが合格ラインぎりぎりだったとか、自分の必要スコアに一度も達していないとか、そういう深刻な状況でない限りは、きっと成るように成ります。『NBME 模試の予想スコアは残酷なほど正確』=『試験後は NBME 模試のスコアを信じて"果報は寝て待て"』です。


※ その他、やっておけばよかった教材
Firecracker :
 ・利用者の方がより高得点を取れていることが統計学的に証明されている
 http://blog.firecracker.me/students/firecracker-step-1-performance-analysis
・もともとGunner Trainingという名称で米国医学生の間で爆発的にはやっていた模様
 http://hotarunokoya.blog92.fc2.com/blog-entry-103.html
 ・250点を取られた先輩が使用されていて、オススメしてくださっていた...

Kaplan Qbook:大体の人がやるようですし、UWorld や Rx Qmax でカバーしない問題が結構あるみたいなので


もう時すでに遅しですが、反省を生かして Step 2 CK で必ずリベンジします!