2週目。
 
やることが沢山
今週はNon-styleで自由な毎日でした。朝食・昼食はいつも指導医と二人で摂っていたので、Doctor's Loungeでベーグル、パン、果物、乳製品、ドリンク類をもらい放題。食費が毎日1食分で済みました(節約したかったのでありがたい!)。

今週の指導医もとても優しい先生でした(トルコの医学部を卒業)。月曜の朝一にいきなりScimitar syndromeScimitarは昔のトルコの剣に由来)のコンサルト症例が来て、おっ!と思いましたが、文献を探して勉強した翌日に、実はScimitar syndromeではなかったことが判明したり、ご家族が診断に動揺されていてH&P(History taking & Physical)のチャンスが来なかったりと、不振に終わりました。

大変な症例が多かった今週は、指導医がディスカッション、電話、Pager(ポケベル)の返信などで大忙し。移動中に質問しても説明時間が十分になく、15時には帰らせてもらう(帰らされる?)毎日でした。それでも、渡米前に解いて提出したStep2CKスタイルの問題のディスカッションや、回診中の問答レクチャーなど、最低限の時間は取ってくださり、そこで教えていただいたことは本質的な内容のものばかりだったので、非常に効率的でした。

また、1週間を通じて是非見習いたいと思ったことが2点ありました。
① 面と向かっての情報共有・ディスカッションの重視/フットワークの軽さ
例えば、CTの検査結果が出たらすぐに放射線科医のところに足を運んでディスカッションし、それが終わるとPICU(小児ICU、ピックユー)にいって担当看護師さんやレジデントに逐一、放射線科医とディスカッションした内容を伝えて、さらにディスッカッションを重ねて、というように、「会って話して聞いて、会って話して聞いて...」というのを徹底されていました。電話でのやり取りも盛んで、電話を切る前の"Take care. Bye-bye." が毎回すごく優しい口調だったのも印象的でした。
② 子どもへのフレンドリーな話かけ
シカゴでの病院見学時にも、ベッドサイドに入るとものすごいハイテンションになって、患者さんやご家族を明るく元気にさせる魔法使いのような会話をされる先生と出会いましたが、今週の指導医もそんなタイプの先生でした。どんどん真似していきたいです。

...ということで、今週はH&Pのチャンスが1度もなく、放任される時間が長かったですが、逆に自由時間がたくさん貰えてありがたかったです。H&Pや口頭プレゼン、カルテ記載を一人である程度できるようにするための準備を進めることができました。
・H&Pのレジュメ作成
・ROSや身体診察の英語表現の収集
・薬の商品名や投与内容の記載方法の確認
・略語の検索
・文献の読み進め

日本人の先生(インターン)に引き続きお世話に
先生は今週から夜勤シフトでしたが、早朝に毎日時間を取ってくださって、質問に答えていただきました。電子カルテの便利機能(一覧リスト、雛形フォーマット)も教えていただきました。雛形フォーマットは例えば、 ".JOROS" を入力すると、自分のROSの雛形が自動的に表示されるようなシステムで、とても便利。Vital signやMedicationも自動的に最新のものが表示されるよう設定できるみたいです。毎日のProgress Noteが詳細に、緻密に、正確に、かつ効率的に作成されるアメリカの電子カルテシステムは魅力的です。

H&Pのまとめシート
見学時にメモしてインプットした質問項目を盛り込んだり、病棟患者さんのカルテの身体診察の項目を参照したりしながら、自分用のH&Pのまとめシート(見開き1ページ)を作成しました。
Wheezingが主訴の患者さんが来られた時に、指導医は環境因子の問診で、ペットだけでなく、Fire place, wood burning stoves, Basement, Bedroom (feather pillows, Blanket), Flea, Mold, Smoker in family, 2nd & 3rd-hand smokeについても詳細に聞いていましたし、学校での様子(学年、学校名、成績、欠席日数、得意科目、スポーツ、趣味)、出生歴、成長発達歴なども事細かに聞いていました。そういった内容もすべて盛り込んで、なるべく詳細な"マイ問診リスト"を作成するよう心がけました。
来週にH&Pのチャンスがあれば、 このリストを活用してベストを尽くしたいです。
 
外来も見学
Cystic fibrosisのフォローアップ外来ではNurse Practitionerの下で見学させていただく機会もありました。患者さんの日頃の生活に関して色々な観点からお話を聞いて、生活・栄養指導を丁寧にされていました。看護師の視点を交えた診療ができる役職の専門性というか、プロフェッショナリズムのようなものを初めて拝見し、驚きました。

モーニングカンファ
週3日の早朝カンファレンスに出席しました。
① Human factorsに関するミニレクチャーとディスカッション(Swiss cheese modelなど用いて)
② ケーススタディ:腎移植後のNorovirusの診断にたどり着くと、その後、免疫抑制剤をどのくらい止めるかに関する文献紹介や、最適な文献検索手法のレクチャーが続きました。マルチステップな内容でした。
③ ケーススタディ:20yo F, Afebrile, Migratory arthritisで川崎病の症例:ディスカッションが盛り上がりました。 

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小児呼吸器科も次が最終週。

<3週目の課題>
① H&P、カルテ記載のトレーニングチャンスが来たらベストを尽くして取り組む
② 口頭プレゼンを見習う(フォーマットを日本人の先生から教えてもらう)
③ 回診・ディスカッション内容を少しでも多く聴解する
④ 引き続き、カルテ記載表現に慣れ、インプットを進める
⑤ 集大成の1週間にして、いい流れで次のローテに入れるようにする

可能性は低いですが、4週目から小児血液腫瘍科を4週間回ることになった場合、レジデントの下で患者さんを1人担当し、朝の口頭プレゼンやProgress Noteの下書きも任されるかもしれないので、そうなった場合にチャレンジできるよう(させてもらえるよう)、やれるだけの準備を進めていきます!