この夏は、4か所の病院で、総診・救急・小児科のうちのいくつかを見学させていただきました。

どの病院にもカラーや魅力があり、「概ねどこで初期研修をさせていただけることになっても本望だな」と思えたので、ほっとしました。

大学の先輩や、学外セミナー・キャンプでお世話になった方々ともお会いできて、充実した日々になりました。


今回の見学で感じた具体的な魅力について振り返ってみました。

① 対話指導の文化
上の先生からアウトプットを要求される頻度が高い。「何を考える?」「他には?」「他には?」「どんな検査が必要?」「他には?」「◯◯のことは患者さんに聞いた?」「□□のカットオフは?」「△△分類でいうとどれになる?」「▽▽SCOREは何点?」…。

② コアレクチャー
「輸液」「鎮痛薬」「胸部X線の系統的読影」といった、ジェネラルなテーマの研修医向けレクチャーが日常的に行われる。発表者の質問に研修医が答えながら進行する。臨床試験のエビデンスも適宜引用され、数値で論理的に語られる。終了後も研修医が熱心に質問し、発表者が熱心に答える、という双方向性の熱意が見られる。

③ 自立性
(主に救急ローテの時に)一人で問診と身体所見をとって、鑑別や方針を考え、洗練されたオーラルプレゼンで指導医にコンサルし、質の高いディスカッション指導を受けている。必要に応じてグラム染色も自ら行っている。 

④ 主体性
「研修を済ますこと」ではなく「研修から学べること」を常に考えている。雑務に忙殺されても、その長短や意義を自分なりに考えて、積極的 ・能動的・主体的に取り組んでいる。

⑤ プロ意識
院内での研修医同士の会話が、常に医学や研修に関する内容、あるいはプロフェッショナリズムに逸しない内容。いかに研修を楽に済ますか?とか、学生気分を引きずったようなダレた態度を表出する話が出てこない。

⑥ 率先力とスピード感
何事も率先してきびきび事に当たる姿勢が徹底されている。近くの電話が鳴ったら例外なくすぐに取る(取らないとすぐさま叱責を受ける)。資料の印刷部数が足りないときは、最初に気づいた人が真っ先に追加印刷しに向かう。スタッフ同士のコミュニケーションも素早く、スムーズで無駄がなく、言葉遣いも洗練されている。

⑦ チーム医療

多職種で協力しながら、一人一人の患者さんを大切に診るために、病棟全体で具体的な取り組みがなされている(多職種カンファレンス、イベント、個別面談)。仲間への気遣いと感謝の言葉、スマイルが病棟全体にあふれている。依頼やコンサルのためではなく、お礼を言うためにPHSをかけているシーンも見られる。

⑧ 厳しいけれど
厳しい指導や叱責を受けても、レジデントは「キツいことを言われてやめたくなるときもあるけど、本当にやりがいのある、いいトレーニングを受けさせてもらっている」と口をそろえる。上の先生がレジデントにきつい口調でカルテの修正を命じることがあっても、修正が終わったら、レジデントに笑顔で「ありがとう」と伝えている。

⑨ 憧れの先生
  
ジュニア/シニア/チーフレジデント、指導医、それぞれの年代にロールモデルを見つけることができる。また、レジデントも、目標とする先輩方の背中を追って、生き生きと仕事に当たっている。

⑩ 感性
患者さんへの接し方や、『患者さんの心に寄り添える感性』のようなものを背中で示してくださる先生方や看護師さんの姿があり、心技体の "心" を学ぶことができる。


<星の王子さま>
見学終盤、小児科医としてあるべき姿勢を熱く示してくださった先生がいました。
「小児科医は、子どもの総合診療(断/治)だけできればいいというわけではない。成長と発達を時間軸にそって診てあげられないといけないし、社会(いじめ、abuse…)にも目を向けられないといけない。健診時の態度や、問診、診察の様子を何度か見れば、その小児科医の力量はすぐにわかる。」


「では、学生の今の間、どういう姿勢で取り組めばいいでしょうか?」
と尋ねると、次のようなアドバイスを下さいました。

「『星の王子さま』の著者が、『完璧が達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である』と述べているように、将来的には "洗練" させていくということが求められる。そのために今は、なるべく沢山の知識を、整理された形で、しっかりと引き出しにしまわれた形で身につけていくことを意識するといいよ。コミュニケーションも、整理された豊富な知識あってこそ、洗練させられるものだから。」
 
示唆に富む言葉でした。この後、なんとなく「星の王子さま」が気になり、久々に読み直しました。やはり想像力や感性が研ぎ澄まされる物語で、「本当に大切なものは、目に見えない」という言葉が以前にも増して心に響きました。

一冊の小説と、その著者の言葉の一端から、医のアートとサイエンスの両面で大切な姿勢を学んだ気がしました。そのヒントを与えてくださった今回の先生との対話は、大変貴重な経験になりました。


<今後に向けて>
病院見学に対する当初の目標は、ある程度果たすことができました。
・自分の目で見て、先生方とお話して、研修の特色を知ること
・一つでも多くのことを学び、吸収すること
・今の自分に足りないもの、今後の課題を一つでも多く見出すこと

見通しも鮮明になりました。

☆ 今取り組むべきことを、①サイエンス、②アート、③医師になる前に人として、という3本柱で考え、それぞれを磨いていく

☆ その上で、① においては、USMLE Step1 高得点合格に向けて本腰を入れていく
(現在も Step2CK 対策をメインに進めていますが、来月から徐々に Step1 対策のウエイトを上げていきます)