米国小児血液腫瘍科の教授として、複数の臨床試験をリードされている母校OBが、今年も講演に来てくださいました。昨夏にも特別講演を聞かせていただき、秋に現地で病院見学を引き受けてくださった先生です。

<昨年の特別講演>
・米国での臨床研修について
・米国での小児がん臨床試験について
 http://jokamoto28.blog.jp/archives/40194905.html

<病院見学>
・米国小児科病院見学
 http://jokamoto28.blog.jp/archives/42023575.html
・鎌状赤血球症の専門外来
 http://jokamoto28.blog.jp/archives/42022192.html


<今年の特別講演>
① 小児 ALL(急性リンパ性白血病)の英語レクチャー
② アメリカの(小児)がん医療

質疑応答を含め、終始英語で行われました。
米国医学生・レジデント向け講義と同内容で、教科書的なものから最新の臨床試験、今後の課題まで、網羅的に構成されていました。

世界で通用する小児科医を目指して、英語プレゼンテーションの研鑽を積むにあたり、今回の教授のプレゼンテーションは最高のお手本ですし、貴重な情報もたくさん詰まっています。
そのため、引用文献情報なども含め、ひっきりなしにメモを取りました。

同様に英語面に関しても、米国で長年診療をされている日本人医師の話す英語なので、まさしく自分の目標点。気になった英語表現も片っ端からメモしたかったのですが、内容の理解とメモだけで精一杯でした。

レクチャーの中で、症例が2つ提示されました。どちらも ALL だということは察しがつきますが、提示された全ての病歴・身体所見・ラボデータに矛盾しない鑑別疾患を考えるのは困難でした。(ニコニコ(にやにや?)しながら ALL と答えておけばよかったのかも...)

1つ目の症例は、血小板著減が目に付いたので、その鑑別を思い浮かべました。ITP(特発性血小板減少性紫斑病)、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)、Bernard-Soulier syndrome、aplastic anemia(再生不良性貧血)、Fanconi 貧血。なんとなく aplastic anemia を選んでしまい、「アプラスティック アヌィーミア」 と答えました。

するとまず、「アプラスティック??、エープラスティックのこと?」と訂正されました。(発音が間違っていました)
なおかつ先生の反応もいまひとつでした。そこでラボデータをよく見返してみると………
白血球数正常(_ _)、貧血もない(T_T)  どう考えても ITP がより適切な鑑別疾患。

英語も医学もままならない現状が露呈し、恥さらしになってしまいました。よりによって、自分の隣には、小児科をローテートした時に血小板減少の鑑別を熱血指導してくださった先生がいらっしゃったので、なおさら残念でした。

気持ちを切り替えて 2つ目の症例へ。内容は確か、数週前からの発熱、肝脾腫、血小板著減、白血球正常、Hb低値、LDH高値、尿酸高値など。今度こそ、ITP と答えました。根拠を聞き返されたので、それも答えました。すると「ITPでヘモグロビンって低下するんだっけ?」とつっこまれました。あ、確かに〜。溶血性貧血みたいな所見があるなぁ、と強く納得。のちの解説で、この症例では、ITPに自己免疫性溶血性貧血を合併した Evans' syndrome がより重要な鑑別疾患であるということを教えてもらいました。


《学習事項まとめ》
・ALL is now highly curable disease.(2000年代のスタディでは 90% 近くまで達する)
・必ずしも末梢血中の芽球は増えない(血算で白血球数正常のことも)
・ALL の鑑別では 2つ以上の cell line ↓↓ が鍵(v.s. ITP, TEC(transient erythroblastopenia of childhood)) 
・ITP+自己免疫性溶血性貧血 = Evans' syndrome(ALL との鑑別に注意)
・If ALL is suspected, don't ever give steroid.(確定診断のための検査所見をマスクするので)
・晩期合併症(long-term complications)への対応、Survivorship に米国は力を入れている


---
ここ最近、臨床実習や臨床推論セミナーで積極性を前面に出そうと取り組み始めて、苦い思いをする機会が増えました。的外れな回答を繰り返してしまったり、超基本事項をど忘れして答えられなかったりして、夜に寝られなくなってしまうくらい悔しい思いをする日も出てきました。

でも、一生懸命取り組み続けることで、失敗を恥じる気持ちがすーっと消えていくような気もします。

発言回数 × 苦い失敗の回数 = 自分の成長
だと思い込んで、これからも前向きに取り組もうと思います。

☆ プレゼンターの問いかけに対し、積極的に発言する姿勢
☆ 質疑のときにしっかり質問する姿勢


僕が初期研修を希望しているいくつかの研修病院では、これらの姿勢が病院見学の時から重視(評価)されますし、将来希望する米国レジデンシー/フェローシップの環境下でも、身についていて当然の姿勢であることは明らか。

激務による疲労などの障壁がない学生のうちに、しっかり習慣づけを行っていきたいです。