PCR マシーン
PCR 法を発明して 1993年にノーベル化学賞を受賞された Kary Mullis 先生の家が、先週散歩した砂浜のそばにある、という情報を教えてもらいました。Wikipedia で調べてみると、やはり、サーフィン愛好家。Mullis 先生は UCSD で教鞭をとられていたようでラボにある PCR マシーンには直筆サインが書かれてありました!実験の際には一段と気合 が入りそうです。


ミーティング
教授と、指導者の1人と、朝8時半から。「野生株と変異株の細菌をこれから in vitro で色々比較していきましょう」という状況の中、実は、既にマウスに各々の
菌をうって in vivo での予備実験が済まされていることを知りました!Awesome !!
ミーティングでは、20個前後の実験項目の中で必要のない実験の見極め、プライオリティの決定、差を最も見やすくするための条件の最適化などに関して、クリティカルなアドバイスを教授からいただきました。Big Bit Awesome !!!
ミーティング後は、2人の指導者が話し合って、プロトコールをすぐに書いて下さり、今までに経験したことのないスピードで段取りが進みました。
種々の生体サンプルもラボメンバーや近くのラボの方からもらえますし、プロトコールの遺産や、ラボメンバーのもつ豊富な経験則なども含めて、本当に恵まれた環境で実習をさせていただいていると感じます。
実験データをきれいなグラフに仕上げるために必要な Graph Pad というソフトも、運良く30日トライアル版がダウンロードできました。


特別講演
今週も2つ受けました。
1つ目は Treg (制御性T細胞)の代謝と Leptin について。発表者は情熱溢れる女性のポスドクの方で、内容もわかりやすく、サンディエゴでこれまでに聞いた講演の中で一番面白かったです。 
もう一方の講演は、慢性腎不全と またもや Leptin の関連について。このセミナーは、隣接する薬学部の建物で夕方に行われ、終了後にはアツアツのジャンボ宅配ピザやドリンクを好きなだけいただくことができました。今回は UCLA の教授が車ではるばる聞きに来られていて、UCSD の教授(発表者)と面白いやりとりを繰り返されていました。講演内容については、分野特有の略語が分からず、終盤はアウトラインを掴むのも苦しくなっていきました。そのため、「ついていけなくなったらスライドの見やすさとか話し方とかを観察するといいよ」と隣のラボの日本人の方からいただいていた アドバイスを試しました。
 


小児科の先生にご挨拶
7月に新潟に特別講演にいらして下さった日本人の先生とようやくお会いし、ご挨拶することができました!コーヒーをいただきながら、熱いお話や教訓をたくさん聞かせていただきました。またお会いできる日が待ち遠しいです。


コーヒーブレイク
月から金まで、注文しない日もありましたが、散歩がてら毎日参加しました。10時〜11時頃の間で行きたいメンバーが集まって皆でぞろぞろとカフェショップに行く、この25分くらいの休憩がとても楽しくて、リフレッシュになります。ハイクオリティの美味しいアイスラテを飲んだ日は、以降の実験にも最高のコンディションで取り組めました。リフレッシュの仕方もラボメンバーから吸収して、日本で沢山実践していきたいです。


芸術的な手技
実習初日からお世話になっている指導者の実験操作が芸術的で、感銘を受け続けています。
マジックペンの蓋を閉める動作、寒天プレートを束ねるテープの張り方、ボトルの液体を注ぐ操作など、どれを取っても無駄な動きが全くなく、素早く正確な美しい動作。そして、五手十手くらい先まで計算できていそうな完璧なトランジションの連動。
たくさん真似て技を盗んでいきたいです。


ランニング
今週は土曜に18km 走りました。 先週の2倍の距離で、最大高低差も 83m あって、シビアなコースでしたが、日の出前から出発したので涼しくて走りやすかったです。
誘ってくれた Greg は毎月100mile(161km)走ることを目標にしていて、"It's just for fun." だそうです!高い目標があって、それに向かうことを心から楽しいと思っているからこそ、ストイックぶりというか、周囲が真似できないと舌を巻くようなバイタリティを発揮できるんだろうなと感じました。奮い立たされます。 


アメリカンフットボール初観戦…はキャンセル
滞在中で唯一の San Diego Chargers ホームゲームが日曜に予定されており、行く気満々でしたが、チケットが高くて断念しました(向かい正面(?)の最前ブロックの席で$90、という割安チケットこそあったものの、一番安いチケットでも$70は下回らず)。それでも、夕方にタイミング良く、最後の10分間だけテレビ観戦ができました。ラスト5分で20-20の同点に追いつく熱戦!しかし、残り30秒でペナルティをとられて3失点し、20-23で惜敗。残念でした。



和食
その日曜は秘書さんご一家と、その小学生の娘さんの同級生のご家族に加わり、日本料理レストランで和朝食をとった後、昼前から Comic Convention に参加しました。1歳くらいの男の子とアクティブな5年生の女の子2人と一緒に、朝からとても楽しい時間が過ごせました。
女の子2人の和食の食べ方の斬新さには世界観を大きく広げさせられました。2人とも定食が来るやいなや醤油(減塩)を白ごはんにたっぷりとかけて、美味しそうにかき込んで、早速おかわり。ピカチュウの服を着ていた子は、エビフライのころもの部分を手でつまみ、尻尾をまず食べ、レモンは口の中へ直接絞って飲んでいました。味噌汁と豆腐は綺麗に残し、食後の2人の茶碗の内側には、美しく一面に醤油ごはんが敷き詰められていました。
Comic Convention では、女の子たちは自由自在にたくさんのことを見聞きし、経験し、またクラフトワークルームでは発想豊かに作品を生み出していました。人に迷惑をかけない限り、なるべく自由にいろいろなことを子供に経験させてあげる、というご両親の寛大さはとても見習うに値すると思いました。2人の将来が楽しみです。


Comic Convention
伝統的なコンベンションセンターやホテルの集まる Mission Valley というところで行われていたイベント。

お宝グッズやイラストレイターの実演などがてんこ盛りで、最高に楽しいイベントでしたが、話がちゃんと聞きとれさえすれば、もっともっと楽しめただろうなと、もどかしい思いも募りました。
手加減のない本当の英会話が聞けるよう、そしてアメリカの人たちともっともっと打ち解けられるよう、日本に帰ったら、アメリカの国民的アニメやドラマ、映画の観賞で英語漬けの日々にしていきたいと切に思いました。


<研究の振り返り>
3週目から指導者が2人になりました。
1人は、実験の進め方や基本的な手技をマンツーマンですごく丁寧に教えて下さる、cheerfulなラボマネージャー。もう1人は研究への情熱に溢れ、どんなに忙しくても沢山の事を教えて下さり、気も遣って下さる指導者。2人の下で実習できて、本当に充実した一週間でした。

ダブルヘッダー、トリプルヘッダーで実験をバリバリ進めたいけれど、まだ習い立てなのでひとりでどんどん進められない…というジレンマはありますが、来週も自分の出来うることを1日1日、一つ一つ丁寧に、集中してこなしていきたいです。

最終週のラボミーティングで短時間のプレゼンテーションをするチャンスをいただけたので、これからも思いっきり頑張っていきたいです。