都内病院のケーススタディセミナーに参加しました。
昨年9月から毎回参加させていただき、今回が4回目でした。 

授業期間の木曜夜だったので、行きは新幹線、帰りは夜行バス。
わずか2時間のセミナー、5時間の滞在のためだけに高額の交通費をかけて上京するのは愚かな気もしますが、必ず自分の成長につながるセミナーだと確信していたので、妥協はしませんでした。

これまで同様、米国の先生が座長をされてのケーススタディと、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の特別講演を、教会のようなホールで見学しました。前2列の左側に1年目の研修医、右側に2年目の研修医が呼び集められ、演者とレジデントの間に双方向性の信頼関係が感じられる、和やかな雰囲気の中、セミナーは進行していきました。別の専門の先生や他病院の研修医なども参加されていました。『あなたへの医師キャリアガイダンス』(医学書院)という本で執筆されている先生の一人で、深く印象に残っている先生が、自分の斜め後ろにいらっしゃったのは驚きでした。


<テーマ>
①『 繰り返す原因不明のアナフィラキシーの一症例』
② 『Just Job or A Just Job(研修の楽しみ方)』
③ 『プライマリケアでのNSAIDs使用の注意点』


① 繰り返す原因不明のアナフィラキシーの一症例
アナフィラキシー様症状(顔面紅潮と息切れ)を主訴としながらも高血圧を呈する症例。最終的に絞られた鑑別疾患は、カルチノイド症候群、甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、傍神経節腫で、診断は傍神経節腫でした。
・アレルギーを持つ患者さんへの問診で着目すべき点や、今回のケースで頭に入れておくべき鑑別疾患などについて、明快に理解できました
・身体診察と病歴聴取が重要!
・治療よりも原因追求が大切→ER医の診断は鵜呑みにしない!(座長のアドバイス)
・出発前に大学の図書館で『レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル』(医学書院)を借りて、アナフィラキシーの項目を行きの新幹線で読んでいた甲斐があり、ケーススタディの内容が理解しやすく感じられました。この本に出会ったのは、昨年の今頃、グループ学習で薬物アレルギー(薬物過敏症)の症状に関するレポートを書いた時でした。図書館でアレルギーの教科書に片っ端からあたっても、得たい情報が体系的にまとまっているものは皆無でしたが、本書だけ唯一、症状がわかりやすくまとめられており、感激した覚えがあります。この本の著者が講演②の先生ご本人だということも、今となっては大変驚きでもあり、十分に納得もできます。

② Just Job or A Just Job (研修の楽しみ方)
「せっかく働くからには、取り組む姿勢を磨いて、正義のために、楽しく研修しましょう」というニュアンスのテーマ。

・映画「パッチ・アダムス」に出てくる医学部長の言葉:
「確かに人間はミスを犯します。しかし患者さんは1つしかない命を君たちの手に委ねるのです。そして、患者さんには君たちと同じように守るべき家族や、この上なく愛しく思ってくれている人がいます。だから、ここでは君たちを人間から医師に変えます。医師という絶対にミスをしない存在となるために、君たちはここに来ました」(『研修医になったら必ず読んでください。』より引用)
・にっこり微笑んでしっかり挨拶する(全く何の根拠もないプラス評価が得られるかもしれない)
・日本人らしさを武器にする
・患者さんに信頼してもらう(患者さんの前で手を洗う、服装を整える、話を聞くときは聞く)
・礼儀正しく
・いい加減なことを言わない
・やりとげる
・5W1H(ささいなことでも患者さんから病状の変化を教えてもらえるように、話しやすい関係を構築する)
・自分だったらどうしてほしいのか考える
・"May I ask you a quick naive question, please?"(国際学会での話しかけ)
・Double Standard: 自分に厳しく、他人に強制しない
・アドバイスはとにかく受け入れる(→今後もアドバイスをもらえる→いつか必ず助かる時が来る)
・人に必要とされる人になる

『研修医になったら必ず読んでください。』(羊土社) をもう一度読んでみます!
まだ4年生ですが、僕が同級生に本を一冊紹介するなら、迷いなく本書を選びます。
無理矢理貸し付けるかもしれません笑。

③ プライマリケアでのNSAIDs使用の注意点
・副作用の薬理学的機序/胃腸粘膜障害や心血管イベントなどの有害事象を生じるRisk factors/PPI・misoprostolなどの併用/Cox2 inhibitors の波乱万丈の歴史/先生ご自身のコホート研究結果/各薬剤の特性と望ましい適応場面などを学びました。系統的に教わることができて、最後までかなり楽しかったです!
・セミナー後、First Aid の NSAID 関連項目(索引で引いた16箇所)の内容をすべてノートに箇条書きして再整理しました。系統的に基礎知識を整理できると興味がより一層ふくらみます。
・NSAIDsは緩和ケアでの疼痛治療にもとても重要な薬ですし、これからもどんどん理解を深めていきたいです。


<今後の課題>
・英語スライド内の未知語彙、未知疾患が減ってきて、理解に困ることが少なくなってきました。これからは理解スピードもどんどん上げていきたいです。

・以前は分からないことだらけで、セミナー中にできることといったら、自分の知っている知識を必死に探し出して再確認することと、何とか理解できた断片的事項・具体的エピソードをメモすることくらいでした。しかし今回は運よく、大学とFirst Aidの両方でじっくり勉強した分野が多く、ほんのわずかながらそこで身につけてきた基礎知識を駆使して「確かに新しい臨床知識を学んでいる」という実感が得られました。次回もこの感覚ができるだけ多く得られるよう、地道に知識を増やしていきたいです。

・ケーススタディに積極的についていくだけの知識や思考力は未だ全く足りず、座長がふってくださる質問に対しても、アイデアがなかなか思い浮かばない状態が続いています。研修医の方たちが的確な発言をどんどんされている様子が本当にまぶしく映ります。その内容をひたすらメモすることはできたので、復習して自分も的確な発言ができるよう、成長していきたいです。


<次回(8月末)に向けて>
① 医学知識の骨組みを固める
・First Aid を1周勉強する
・First Aid Cases を1周勉強しながら、First Aidをじっくり復習する

② 診断プロセスを考える経験を積む
・『誰も教えてくれなかった診断学』(医学書院):再度熟読、まとめる
・『北米式 臨床力強化プログラム Vol.1, 2』(Care Net DVD):図書館で借りて視聴、まとめる
・その他、Care Net DVD、ケーススタディ関係の本で自主学習を進める


今後もケーススタディセミナーを自己成長のチェックポイントにして取り組んでいきます。