9月に引き続き、都内病院のケーススタディセミナーに参加させていただきました。

前回同様、米国の先生が座長をされての症例検討と、米国で臨床経験をおもちのアレルギー・膠原病分野の先生おふた方の講演。合わせて二時間ほどのセミナーが、教会のようなホールで夜に行われました。

今回は授業期間中の木曜。
4限の途中で教室を抜け、新幹線で東京に直行。
帰りは夜行バスで戻り、朝8時半から再び授業、という強行スケジュールでした。

テーマ
① 皮疹と関節痛で受診した患者さん
② ある糖尿病患者さんの合併症
③ 糖尿病に伴う膠原病類似症候

(以下、未熟な解釈のため情報の誤り等があるかもしれません。ご了承ください)

①:「いかにもSLEのようだが、実は…」という興味深い症例でした。
「発熱」「両側性の関節痛」「低補体」などの現病歴が述べられたあと、まず大まかな鑑別疾患のカテゴリーがディスカッションされ(Autoimmune、Neurological、Infectious など)、その後、論理的に臨床推論が進められていきました。
関節痛については、Mono/Poly、Acute/Chronic の2×2表で鑑別疾患が整理され、その質の高さに感動しました。プライマリケアにおける本質的な臨床的推論の方法を示して下さる座長の先生に、今回も強い魅力を感じました。
その後、 SLEの診断基準を満たすことも確認し終わり、確定間近になったとき、上級レジデントが指名されて意見を求められました。その先生は「Parvo を除外したい」と、核心的な回答をされました。
最終診断は Parvovirus B19 感染でした!
自分に知識があったら、もっともっと楽しめただろうなぁ、という症例でした。

②③:ついていくのが大変でしたが、楽しく聞くことができました。お話の筋道やキーワードをこまめにメモしたので、一つひとつじっくり調べてみることにします。

印象に残った内容
・患者さんが話したいことを話すのではなく、こちらが聞くべきことを聞く
・腹部身体所見⇒肝臓が腫れているのか脾臓が腫れているのかの区別は重要
・骨折椎体数と死亡率は相関⇒”Make the first fracture be the last !”
・肝症状へのアプローチは ①Hepatocellular、②Cholestatic、③Infiltrate のどれかを考えることから
・NEJM Case Records ⇒症例を読んで解説を読んでというやり方ではなく、その場で一つずつ調べていくのがいい
・蜂窩織炎はまずマーキング
・発熱・頭痛の鑑別⇒感染症、悪性腫瘍、膠原病、薬剤、脳血管など大まかな分類で整理して考える
・痛風では肉よりも糖分の摂取を抑えるべき。∵核酸代謝産物⇒体内合成:摂取=5:1
・ティラノサウルスは痛風だったらしい(1997 Nature)
・犬、猫、彼女に噛まれた場合、彼女に噛まれたケースが一番ヤバい
・100%野菜ジュースは糖分が多い⇒子供にあまり飲ませてはいけない
・血糖を良くするためには常に動く!循環をよくすることが極めて大事(糖尿病専門医のコメント)


感想
・医学英語力上達の手応えを確かに感じた一方で、知識の圧倒的な不足を痛感
⇒「ハリソンをずーっと読んできて、いったい何を勉強してきたんだ!?」と自分自身に怒鳴りたくなる。レイノー現象なんかも、教科書に載っていた写真のおじさんの髪型(←関係ない)とか顔色とかは思い出せるものの、いまだにその病態生理や臨床的意義などは全く覚えていない。医学英語に大量暴露するプロセスをいよいよ卒業して、網羅的・構造的な知識習得にひたすら徹するべき時が来た。

・参加されていた先生やレジデントの方々のご様子、場の雰囲気などを改めて体感
⇒マイペース/いつもリラックス/明るく笑顔が絶えず表情豊か/存在そのものが癒し/安心感がある/お疲れモード/次の仕事への取りかかりが極めて迅速/キレキレの鑑別・診断スキル/英語モードへのナチュラルな切り替え、などなど。


次回は3月中旬に開催されるようです。その時までには大学で膠原病を学んでいますし、FIRST AID の免疫分野の学習も完了している予定なので、万全の準備をして、また自分の成長点と課題を見いだす契機にできればと思います